出版社内容情報
2023年度の文芸誌掲載の歴史・時代小説から精選した11編を収録。新進の作家から円熟の書き手までの新作が味わえるアンソロジー。
収録作:朝井まかて「身のほど知らず」/永井紗耶子「賭けの行方 神君伊賀越え」/谷津矢車「鯉」/逢坂剛「水船地獄」/高瀬乃一「鑑草」/澤田瞳子「星見の鬼」/西條奈加「庚申待」/菊地秀行「開かずの間」/赤神諒「蛟竜逝キテ」/砂原浩太朗「半夏生」/木下昌輝「恋双六」
内容説明
歴史・時代小説を読むときに期待するのは?歴史の一場面を再現して見せて欲しい?侍、易者や陰陽師など、時代ならではの人物を見たい?時代を経ても変わらぬ人間の業を感じたい?さらにはホラー、ミステリーの要素も楽しみたい?安心してください。この一冊の中に全部あります。2023年度の文芸誌に掲載された中から11編を収録した年度版アンソロジー。ジャンルの今を体感してください。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ひさか
21
2024年7月集英社文庫刊。砂原さんの神山藩ものが好み。木下さんはホラー風味があり面白い。いずれの作品もひねりが効いていて楽しい。2024/09/25
KT1123
5
11人の時代・歴史小説作家さんによる短編のアンソロジー。時代もテーマも様々。澤田瞳子さんの「星見の鬼」、陰陽寮の始まりの頃の下層の人物の話が一番古く、赤神諒さんの「蛟竜逝キテ」、松平春嶽と橋本左内の話が一番新しい時代になるかな?それぞれの作家さんの個性も表れていて興味深い。2024/09/19
seven
4
豪華な一冊。大好きな朝井まかてさんの作品に惹かれて読んだが、皆それぞれ良い作品でこれをきっかけに読みたい作家さんが増えた。徳川家康や長谷川平蔵のような戦国時代から江戸時代の有名人もいれば古代の陰陽師に続く役に就く僧もいる。ホラーまで。かと思えば己の運命を懸命に寡黙に生きる市井の人いる。特に良かったのは「身のほど知らず」「鑑草」「蛟竜逝キテ」「半夏生」。砂原浩太朗さんの神山藩3部作はまだ全部読んでいないのでまずはそこからと思う。2024/10/09
シンミチ
2
西條さんの善人長屋が読みたくて購入。さすが西條さん、面白かったです。中には文章が合わない作家さんもいましたが、他の作家さんも面白かった。一括りに時代劇と言っても、時代によって生き方・考え方って違うなぁと思いました。2024/12/03
キュー
2
菊地秀行さん目当てで時代小説は苦手だけどこのアンソロジーを読んでみた。菊地秀行さんは相変わらず独自な不思議な作品で、正直訳が分からなくなりながらも引き込まれたかな。ラストの方の死んだ人達の独白が続く箇所は相変わらず菊地秀行すごいなとなったけど普通の時代小説好きな人達に受け入れられるのかな〜という気にもなった。他は徳川家康から陰陽師まで時代小説の幅広さを楽しめて、時代小説苦手な人にも短編ならなんとか読めるしこういうアンソロジーも定期的に読んでみようと思った。2024/11/10