集英社文庫<br> 水たまりで息をする

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集英社文庫
水たまりで息をする

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  • サイズ 文庫判/ページ数 168p/高さ 16cm
  • 商品コード 9784087446463
  • NDC分類 913.6
  • Cコード C0193

出版社内容情報

第165回芥川賞候補作

ある日、夫が風呂に入らなくなったことに気づいた衣津実。夫は水が臭くて体につくと痒くなると言い、入浴を拒み続ける。彼女はペットボトルの水で体をすすぐように命じるが、そのうち夫は雨が降ると外に出て濡れて帰ってくるように。そんなとき、夫の体臭が職場で話題になっていると義母から聞かされ、「夫婦の問題」だと責められる。夫は退職し、これを機に二人は、夫がこのところ川を求めて足繁く通っていた彼女の郷里に移住する。川で水浴びをするのが夫の日課となった。豪雨の日、河川増水の警報を聞いた衣津実は、夫の姿を探すが――。

【著者略歴】

高瀬隼子(たかせ・じゅんこ)
1988年愛媛県生まれ。東京都在住。立命館大学部文学部卒業。2019年「犬のかたちをしているもの」で第43回すばる文学賞を受賞。2020年に同作でデビュー。2022年『おいしいごはんが食べられますように』で第167回芥川賞、2024年『いい子のあくび』で第74回芸術選奨新人賞を受賞。

内容説明

「風呂には入らない」。ある夜、夫がそう告げた。問うと、水が臭くて体につくと痒くなるという。何日経っても風呂に入らない彼は、ペットボトルの水で体を濯ぐことも拒み、やがて雨が降るたび外に出て雨に打たれに行くようになる。結婚して10年、この先も穏やかな生活が続くと思っていた衣津実は、夫と自分を隔てる亀裂に気づき―。誰しもが感じ得る、今を生きる息苦しさを掬い取った意欲作。

著者等紹介

高瀬隼子[タカセジュンコ]
1988年愛媛県生まれ。2019年『犬のかたちをしているもの』で第43回すばる文学賞を受賞してデビュー。22年『おいしいごはんが食べられますように』で第167回芥川賞、24年『いい子のあくび』で第74回芸術選奨文部科学大臣新人賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

ケンイチミズバ

98
ある日突然、夫がお風呂に入らなくなるという不条理と向き合う妻。夫は臭くなってゆきますが、虫にはなりませんが、カフカの変身も少し連想しました。これがもし、事故などで普通のことができなくなったパートナーの面倒を見ることに直面したと置き換えてみると、どうだろう。長く生きていれば、日常から非日常に直面することは少なくないと思う。私がもし、この妻の立場ならいっしょに暮らすことは・・・お風呂に入らないことくらいでも耐えられないし、寛容になれない。作品のテイストがこの方らしいというのは当たり前ですが、個性が際立ってる。2024/07/05

蝸牛

68
「義母」が頻出する小説に平穏無事の日常を見出すのは困難。おふろに入らなくなった臭い夫という設定には哀しみがついて回るしかなく、現実をしかと受け止める主人公の心情をそのまま書き表す小説に圧倒された。余談。最近は洗濯に使う柔軟剤臭が香害扱いをされていると聞いているけどにおいってある種の正気かどうかの判断基準になるんだとも思った。2024/09/20

JKD

67
都会育ちの夫が突然風呂に入らなくなった。という変なくだりから始まる。地方育ちの妻は夫婦の問題なので自分たちで何とかしようと試みるが夫婦関係は悪くないのでボチボチと生活していたのに義母が横やりを入れてきてあーもぅ!ってなる。都会の人は文化的感性は高いのに他人への干渉はしない。だから夫も自分が悪臭を放ってもあまり気にしない。一方で地方出身の妻はそれが許せないが許してしまう。解説を読んでこの物語が整理できた。「持ち堪えながらも生き延びてしまう残酷さ」というフレーズが最後にグッときました。2024/06/12

みねね

55
非常に辛い読書体験だなぁ。これをうまくマイルドにできたからこその芥川賞だと思った。/数十年前には(数日)風呂に入らないなんて当たり前で、真夏なんかそのにおいどうしていたんだろうと思うことが多いが、きっとそのためのタバコだったのかなあなどとマイルドに考えていられるのは全部過去の他人事だからだ。今作は全部を全部背負い込みすぎていてほんとうにしんどい。結局そんな考え方から逃げられない、救いのない終わり。他人の評価も自己評価も参考意見で、本当の自分なんて近似としてしか捉えられないっていう諦めは大事なんだろうなあ。2024/10/20

だーい

50
風呂に入らなくなった夫とその妻の話。風呂に入らないというのはきっかけであり、彼らを取り巻く者たちの意識のない悪意、普通を押し付けられる苦痛。それらになんともないような顔で静かに発狂する衣津実の姿が生々しい。自分が狂えない人間だと自覚しているところにすごく共感した。ままならない日常をじりじりと送り続ける地獄。多分夫は塵が積もって風呂に入らないことで狂うことができたのだ。だからある意味幸せだと思う。狂えた夫、狂いきれない妻の対比が上手だなあと思いながら読んだ。解説もなるほどと読んだ。2024/09/07

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