出版社内容情報
徳川家康、伊達政宗など、歴史上の“スゴイ”人たち。実は彼らは“ポンコツ”だった──。歴史時代初心者、大歓迎! 痛快・時代小説。
内容説明
私は天下無双の超イケメン!お殿様に寵愛を受けていたけれど!?(森川若狭「私は腹を切りたくない」)気の進む戦なんてない。断じてない。あぁ、とても恐い。(徳川家康「わしは腹を切るぞ」)一生に一度、なけなしの金で女郎を買いたいだと。だったらワシが…。(中島棕隠「色道仙人」)など、歴史上の偉人の“ポンコツ”な一面にスポットを当てる、抱腹絶倒の歴史時代短編集!日本史初心者、大歓迎の一冊。
著者等紹介
吉川永青[ヨシカワナガハル]
1968年、東京都生まれ。横浜国立大学経営学部卒業。2010年『戯史三國志 我が糸は誰を操る』で第5回小説現代長編新人賞奨励賞、16年『闘鬼 斎藤一』で第4回野村胡堂文学賞、22年『高く翔べ 快商・紀伊國屋文左衛門』で第11回日本歴史時代作家協会賞(作品賞)を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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ポチ
48
死が当たり前のように身近にあった戦国•江戸時代。ポンコツと言われようがそれでも必死に生きた人もいた。彼らの生き様に清々しささえ感じました。当人は必死なのだが、時に笑わせてもらいながらの楽しい読書でした。2023/11/29
スプリント
10
人選が心憎い。2023/12/10
BIN
7
戦国時代と江戸時代から4人ずつのポンコツというか愛すべき馬鹿というかそんな人物の列伝。いつもは歴史モノで硬い表現なのに対して、今作は軽快というかだいぶ砕けた口調で表現として良い。江戸時代の方は全然知らなかったのですが、最初の荻江露八はよかったです。切腹したくない森川若狭は(現代的には)普通の感覚であって、ポンコツはちょっとかわいそうである。生粋のポンコツは小田と織田くらいじゃないですかね。2024/06/29
びぜんや
4
タイトル通り、有名無名問わず戦国期から江戸時代までのポンコツ侍を並べた列伝。文庫サイズに8人の侍が取り上げられ、軽妙な文体でコミカル気味に語られるので小説というよりは評伝に近い感じで、通勤電車の中にはぴったりな手軽さがあります。腹を切って武士として名誉ある死を選ぶか、ポンコツとして生き永らえるか、の選択を迫られた者が多いのは興味深いポイント。その中で剣豪でありながら幇間としての道を究めた荻江露八、信長の弟として動乱期を生き延び存在感を発揮した織田有楽斎が印象に残ります。★★★★☆2023/11/14
ちゃんどら
2
有名所だけでなくあまり知られていない人も含めて7人のポンコツエピソード。戦国時代の4人は割と有名だと思いますが江戸時代の3人は全員知りませんでした、ほんと色んな人がいるものですな。何より意外だったのは吉川永青先生がこういうタッチの作品も書かれる事。どちらかというと硬派な筆使いのイメージの方でしたが楽しく読めました。2024/01/21