集英社文庫<br> パリの砂漠、東京の蜃気楼

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集英社文庫
パリの砂漠、東京の蜃気楼

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  • サイズ 文庫判/ページ数 224p/高さ 16cm
  • 商品コード 9784087445107
  • NDC分類 914.6
  • Cコード C0195

出版社内容情報

一歳と四歳の娘と始めたパリでの母子生活。
近づく死の影から逃れるための突然の帰国。
夫との断絶の中、フェスと仕事に追われる東京の混迷する日々……。
生きることの孤独と苦悩を綴った著者初のエッセイ集。

西加奈子さん、平野啓一郎さん推薦!!

自分を愛することを認めてくれる人はたくさんいるけれど、自分を愛さないことも認めてくれる人は稀有で、金原ひとみさんはその一人だと思う。
──西加奈子

壊れるように成熟してゆく魂。パリ―東京の憂鬱を潜り抜け、言葉は、痛みと優しさとの間を行き交いつつ、気怠く、力強い。比類なく魅力的な作品。
──平野啓一郎

【本文より】
帰宅すると、ネットでピアスを検索し、サイズ違いのセグメントリングとサーキュラーバーベルとラブレットを二つずつ買った。
とにかく何かをし続けていないと、自分の信じていることをしていないと、窓際ヘの誘惑に負けてしまいそうだった。
これまでしてきたすべての決断は、きっと同じ理由からだったのだろう。
不登校だったことも、リストカットも、摂食障害も薬の乱用もアルコール依存もピアスも小説も、フランスに来たこともフランスから去ることも、
きっと全て窓際から遠ざかるためだったのだ。そうしないと落ちてしまう。潰れてしまう。ぐちゃぐちゃになってしまうからだ。

内容説明

一歳と四歳の娘を連れ、周囲に無謀だと言われながら始めたフランスでの母子生活。パリで暮らし六年、次第に近づいてくる死の影から逃れるように決意した、突然の帰国。夫との断絶の中でフェスと仕事に混迷する、帰国後の東京での毎日。ずっと泣きそうだった。辛かった。寂しかった。幸せだった―。二つの対照的な都市を舞台に、生きることに手を伸ばし続けた日々を綴る、著者初のエッセイ集。

目次

パリ(ミルフィーユ;カニキュル;スプリッツ;ミスティフィカシオン;シエル ほか)
東京(カモネギ;おにぎり(鮭)
玉ねぎ
フェス
ラーメン ほか)

著者等紹介

金原ひとみ[カネハラヒトミ]
1983年東京都生まれ。2003年『蛇にピアス』で第27回すばる文学賞を受賞し、デビュー。同作品で04年に第130回芥川賞を受賞。10年『TRIP TRAP』で第27回織田作之助賞を、12年『マザーズ』で第22回Bunkamuraドゥマゴ文学賞を、20年『アタラクシア』で第5回渡辺淳一文学賞を、21年『アンソーシャルディスタンス』で第57回谷崎潤一郎賞を、22年『ミーツ・ザ・ワールド』で第35回柴田錬三郎賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

夜長月🌙@読書会10周年

75
金原ひとみさんが突然、1歳と4歳の娘を連れてパリへ移住した6年間と東京へ戻ってからの生活を記したエッセイです。フランス語はおろか英語さえも話せない彼女がなぜパリに行ったのでしょう。突然、未知の国に行ったことで肉体的にも精神的にも追い詰められます。しかし、何かをしなくては死神に取り憑かれてしまうのでしょう。口ピアスもリスカ、精神病薬の乱用もその一環と思えます。ダークな内容ですが突き抜けた作家の精神性の一端に触れられたような気がしました。2024/08/16

tenori

44
金原ひとみさんのエッセイ集。彼女は小説の中でしか自分をさらけ出せないと言う。それが本当ならば、読者は彼女の作品を通して金原ひとみの生きざまを肯定しているということだ。彼女の小説は浮き沈みが激しく、読後の疲労感は半端ではない。ゆえに当たり前に読者を選ぶ。それでも熱量に圧倒され引き寄せられるのは、小説が彼女そのものだからなのだ。このエッセイも美しいものではないし、危うい人だなと改めて思うが、文豪とは旧来面倒くさい生きものなのである。2024/07/28

SOHSA

43
《図書館本》読中、終始身体中をそれとわからぬほど徐々に徐々に押さえつけられるような圧迫感に見舞われた。気がつくと著者の一語一語、一文一文が読み手に重くのしかかっていて、暫く身動きがとれない。金原ひとみという作家の一面がこのエッセイから生々しく伝わってきた。と同時にこの作家は、新たな何かを産み出すというよりも、自らを切り取りえぐり出すことで作品を紡いでいるかのように思えた。純文学作家という呼び名が正しいかどうかわからないが、太宰や三島などと共通する何かを金原ひとみという作家の中に見た気がした。2024/07/07

olive

43
子供時代は、最も生きづらい時代だった。ただ苦しいだけの日々が永遠続いていた。楽しかったと思える日は一年の中で七日くらいしかなかった(本文より)「生きづらさ」の原点が書かれていた金原さんのエッセイ。死なないために、小説を書き、音楽を聴き、恋愛する、ことで生きている姿が赤裸々に語られいる。友達とかの話は「アタラクシア」を読んでるようだった。エッセイだけど小説のような一冊。2023/12/24

ゆきらぱ

32
洗練されているのにどっしり地に足がついている文章。その上読んでいる私の力まで引っ張ってくれているのか(この気持ちわかるわかる)(行ったことのないパリの空気も感じられる)となんだまだ集中して読書出来るじゃないかと自分の能力を引き出してもらったような気分になった。恋愛至上主義とは書いてあるが恋愛に依存しない金原さん。何にも依存していない。書くことにも家族にも。ただ湧き上がってきているような。それがほんと読んでいて救われる。娘さん2人の様子が可愛い。夫もどこにも良いところは書いてないけれど良い人とわかってしまう2023/05/05

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