出版社内容情報
墜落した不動産王の死体が忽然と消えた。死体消滅の謎を追いながら、不正入試と教育界の腐敗を鋭く抉る。長編社会派本格推理。
内容説明
日本の不動産王で黒ビルグループ会長の黒河内慎平が、不仲の息子にマンション10階から突き落とされた。だが、墜落した筈の死体が忽然と消える。同夜、下の階で大学教授とクラブホステスの心中事件が発生―。この二つの脈絡のない事件が、刑事たちの執念の捜査で一つの線で結ばれた時、恐るべき犯罪の全貌が…。死体消滅の謎を追いながら、教育界の腐敗と国際謀略の闇を暴く長編社会派ミステリー。
著者等紹介
森村誠一[モリムラセイイチ]
1933年埼玉県生まれ。青山学院大学卒業後、ホテルマンを経て作家に。69年『高層の死角』で第15回江戸川乱歩賞、73年『腐蝕の構造』で第26回日本推理作家協会賞を受賞。幅広いジャンルの作品を精力的に執筆。2003年度第7回日本ミステリー文学大賞を受賞。11年『悪道』で第45回吉川英治文学賞受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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yomineko@ヴィタリにゃん
67
二重三重のトリックに驚きながら読んだ。今までの森村先生作品で一番いいと思う。食器の発見場所にまた驚き😲😲😲よくこんな粗筋を考えられるなと頭の良さに感心した。K国は出て来るわ、北まで登場。幸せになって欲しい人が幸せにならない物語だが、それが余計に驚きを増す。死媒蝶=クラブのホステスさんかと思ったが最後で明かされている。オススメです✨✨✨2022/07/08
坂城 弥生
44
ちょっと前の時代の話で、大槻夫妻が本当に可哀想だった…子供はどうなるんだろう…2021/08/09
ひつじパパ
3
推理小説としては面白かった!二重にどんでん返しがある。でもこの本でびっくりしたのは佐紀子の計算高さ。したたかさ。女性は恋愛に思い上がるのではなく、あくまで実利的で現実的なんだなぁと知った。そして最後に入江が犯罪者と分かったら、いとも簡単に、入江の子を堕胎して離婚する始末。何なの?この女性(ひと)、、と思った。心に誓った男性をこうも簡単に切り離すなんて!2021/12/05
LANA
1
森村誠一さん、松本清張さん、昭和の匂いがするのがいいですね。今の作家が資料を読んで時代背景を表現したとしても、この昭和の独特な匂いは表せないかと。 中学生の頃に初めて見た長編サスペンスも森村誠一さんの「鍵のかかる棺」だったのを思い出しました。中学生にしてなんと大人な本を読んでいたことか。 タイトル、最後まで読んでやっと意味が分かりました。 後、表現が好きですね。K国とか、北K国とか。昭和です。 p233の環状彷徨(リンデワンデルンク)とか。脱出口はすぐそこにだが、消して通れない。2021/07/14
たつ
1
読了 面白いが、後に何も残らない2021/05/23