出版社内容情報
日本の「戦後」認識にラディカルな一石を投じたベストセラー『敗戦後論』から20年。第二次大戦に敗れた日本が育んだ「想像力」を切り口に、敗北を礎石に据えた新たな戦後論を提示する。
加藤 典洋[カトウノリヒロ]
内容説明
一九四五年、日本は戦争に負け、他国に占領された。それから四半世紀。私たちはこの有史以来未曾有の経験を、正面から受けとめ、血肉化、思想化してきただろうか。日本の「戦後」認識にラディカルな一石を投じ、九〇年代の論壇を席巻したベストセラー『敗戦後論』から二〇年。戦争に敗れた日本が育んだ「想像力」を切り口に、敗北を礎石に据えた新たな戦後論を提示する。本書は、山口昌男、大江健三郎といった硬派な書き手から、カズオ・イシグロ、宮崎駿などの話題作までを射程に入れた、二一世紀を占う画期的な論考である。
目次
はじめに 想像力にも天地があること―小津安二郎、『敗北の文化』、カズオ・イシグロ
第1部 敗者の日本(私たちが被占領民だったころ―W.G.ゼーバルト、林達夫、朴泰遠;占領下の文学―第三の新人、曽野綾子、大江健三郎、目取真俊;ゴジラは死んで、どこに行くのか?―本多猪四郎、R.エメリッヒ、G.エドワーズ;シン・ゴジラ論(ネタバレ注意)―庵野秀明)
第2部 敗者の戦後(低エントロピーと「せり下げ」―山口昌男と多田道太郎;世界の奴隷として考えること―吉本隆明と鶴見俊輔;「成長」なんて怖くない―宮崎駿と手塚治虫;大江健三郎の晩年)
終わりに 『水死』のほうへ―大江健三郎と沖縄
著者等紹介
加藤典洋[カトウノリヒロ]
1948年、山形県生まれ。文芸評論家。早稲田大学名誉教授。東京大学文学部仏文科卒。文学から文化一般、思想まで日本の近現代の幅広い分野で活躍。『言語表現法講義』で新潮学芸賞、『敗戦後論』で伊藤整文学賞、『小説の未来』『テクストから遠く離れて』で桑原武夫学芸賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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