出版社内容情報
名画中の名画、「ひまわり」11点には多くの謎が存在する! 東京の「ひまわり」贋作騒動の真相は? 日本に存在した幻の「ひまわり」とは? なぜ自作を複製したのか? 「ひまわり」の謎と魅力に迫る!
内容説明
世界の名画の中で最も多くの人に愛され、親しまれているゴッホの「ひまわり」。しかし“ひまわり”十一作品にはそれぞれ多くの謎が存在する!『フェルメール全点踏破の旅』の著者が、最新の科学的・歴史的知見に基づきながら、ひまわり全点の謎を解く。世界の美術界のゴッホ新ブームをさらに過熱させるであろう貴重な一冊!
目次
プロローグ 十一枚の“ひまわり”
第1章 ベルンへ
第2章 “結実期のひまわり”オランダとニューヨーク
第3章 アルルへ
第4章 姿を消した“ひまわり”
第5章 白樺派と芦屋の“ひまわり”
第6章 ミュンヘンとロンドンの“ひまわり”
第7章 東京の“ひまわり”と贋作論争
第8章 東京の“ひまわり”と絵画の科学分析
第9章 三幅対の“ひまわり”
エピローグ やっと巡り合った“ひまわり”
著者等紹介
朽木ゆり子[クチキユリコ]
東京都生まれ。ジャーナリスト。国際基督教大学教養学部社会科学科卒業。同大学院行政学修士課程修了。コロンビア大学大学院政治学科博士課程に学ぶ。元「日本版エスクァイア」誌副編集長(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
シフォン
32
本書によると、ゴッホのヒマワリの絵は、テーブルに置かれたものが4枚、花瓶に入ったものが7作の11枚あるらしい。昨年、大塚国際美術館で陶板の「7つのヒマワリ」を鑑賞し、芦屋に大空襲で焼失した「幻のヒマワリ」が存在したことを知り、何と残念なことかと思っていたが、そのヒマワリの経歴を知る事ができた。損保美術館のヒマワリは何度か見た事があるが贋作疑惑騒動、真作と裏付けられた決めては興味深い内容だった。現在、ナショナル・ギャラリーから「ヒマワリ」が来日中、できれば、黄色い背景のヒマワリ三作を並べて見てみたい。2020/06/28
アリ子
31
映画「名探偵コナン 業火の向日葵」をきっかけに読んでみたけど、とても興味深い内容でした。ゴッホのひまわり7枚のうち、行方不明の最初の作品、何とか見つからないだろうか。戦争で焼失した「芦屋のひまわり」(再現されたもの)を見に、いつか大塚美術館へ行ってみたい。 2015/05/05
mm
14
ゴッホは花瓶に入っていないひまわりを4枚、花瓶に入っているひまわりを7枚描いている。花瓶に入ってるナショナルギャラリーにあるバージョンが一番有名かも??花瓶に入ってるシリーズの一作目は、所有者不明でほとんど貸し出されず謎。二作目は武者小路実篤が白樺美術館の構想を持ち、実業家に買ってもらったんだけど、なんと空襲で保管されていた芦屋の家ごと全焼。ああ!残念。三作目、四作目(ナショナルギャラリーにある)のコピーで抽象性を強めたが六作目と七作目。バブル期に57億円で損保ジャパンか落札した五作目は東京にある。2017/04/26
てくてく
8
気負いなく読み通すことができる一冊。ゴッホを代表するひまわりの絵に焦点を当て、それぞれのひまわりの絵について訪問できるものは訪問し、訪問がかなわない絵についてはその理由などをできるかぎり明らかにし、また、日本の企業が落札したひまわりに対する贋作疑惑についてはその理由および反論を展開している。消失した芦屋のひまわりに関するくだりが印象的だった。その他にもゴッホがひまわりを描いた理由、補色やキャンバスに関する叙述にも興味を持った。2018/09/13
雨巫女。@新潮部
8
《私ー図書館》ゴッホのひまわりが、複数あるのは知っていたが、予想以上に多かった。そのなかの一枚が、神戸で空襲に遭い焼けたのは、ビックリでした。2014/08/19