内容説明
劇場で喜劇を観るのは心躍る体験だが、なぜそれが面白くて楽しいのかという疑問に答えてくれる本は意外に少ない。本書は、誰もが喜劇と認める作品を手がかりにして、その問いに具体的に答えようと試みる。喜劇の観客はよく笑う。その笑いはいったいどこから生まれてくるのだろう。著者は笑いのエッセンスを、シェイクスピアやモリエール、さらにはニール・サイモンやハロルド・ピンターなどの代表作から注意深く抽出し、そこに仕掛けられた創意あふれる手法を読み解き、笑いの源泉へと迫っていく。演劇的知を駆使して喜劇の魅力を解き明かした、最良の演劇入門書。
目次
序 笑う―喜劇の観客
1 だます―喜劇と意識
2 迷う―喜劇と無意識
3 間違える―喜劇の状況
4 語る―喜劇の言葉
5 考える―喜劇についての喜劇
著者等紹介
喜志哲雄[キシテツオ]
1935年兵庫県生まれ。京都大学教授を経て、同大学名誉教授。専門は英米演劇(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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i-miya
6
2006.04.02 2006.02.22 第1刷 高橋康也 2002.06死亡 演劇研究家 P008 シェイクスピア 1564-1616 エリザベス朝 モリエール 1622-73 フランス どんな手法を用いているか 変装 騙す 十二夜 2006.04.03 P052 カルロ・ドルゴーニ 二人の主人、二人の召使 アルレッキーニ 恋人用意 山口昌男著書にあった トリノ 1709-1793 傍白の多様さ コメディア・デラルテ 型にはまった人物 P033 英才人19世紀後半 2006/04/03
ギルヲ
4
シェイクスピアやモリエールの喜劇を題材に、あらすじを紹介しつつ、一人二役や誤解、アイロニーといった喜劇のしくみを考察した本。近代以前の喜劇は、ほとんど触れたことが無いので勉強になりましたが、そもそもなんでこの本読もうと思ったんだろう(笑)2022/12/08
もち
2
イギリスを中心とした、西洋演劇入門としてよいか。こんなふうに、何かに夢中になって、ものをまとめたいと思った。2017/08/12
さぁや
2
なぜ喜劇が喜劇たりうるのか、を解説した一冊ですが、例示される戯曲をあまりにも読んでいないので目から鱗!には今一歩至らず…でした。多くの喜劇が挙げられているので、これから読むものを選ぶ際の手引きとして役立ちそうです。2013/10/31
coppe
2
面白さの解説は、解説それ自体が面白くないと説得力が薄くなる。そして面白さの解説は興がそがれる事が前提となる。だから面白い面白さの解説は価値があるんだろう。面白い面白さの解説を求めると、まず自分で解説を試みる必要がある。気がする。2013/02/11