内容説明
劇場で喜劇を観るのは心躍る体験だが、なぜそれが面白くて楽しいのかという疑問に答えてくれる本は意外に少ない。本書は、誰もが喜劇と認める作品を手がかりにして、その問いに具体的に答えようと試みる。喜劇の観客はよく笑う。その笑いはいったいどこから生まれてくるのだろう。著者は笑いのエッセンスを、シェイクスピアやモリエール、さらにはニール・サイモンやハロルド・ピンターなどの代表作から注意深く抽出し、そこに仕掛けられた創意あふれる手法を読み解き、笑いの源泉へと迫っていく。演劇的知を駆使して喜劇の魅力を解き明かした、最良の演劇入門書。
目次
序 笑う―喜劇の観客
1 だます―喜劇と意識
2 迷う―喜劇と無意識
3 間違える―喜劇の状況
4 語る―喜劇の言葉
5 考える―喜劇についての喜劇
著者等紹介
喜志哲雄[キシテツオ]
1935年兵庫県生まれ。京都大学教授を経て、同大学名誉教授。専門は英米演劇(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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