集英社新書
退屈の小さな哲学

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  • サイズ 新書判/ページ数 219,/高さ 18cm
  • 商品コード 9784087202908
  • NDC分類 104
  • Cコード C0210

出版社内容情報

人はなぜ、退屈することがあるのだろうか。どうして、自らの意思で退屈したり、また上手に退屈を乗り越えたりすることができないのだろう。現代人のほとんどが、退屈や倦怠感の経験を持っているにもかかわらず、ハイデッガーなど一部の哲学者をのぞいて、これまで真剣に考えられることは少なかった。
本書は、広く一般の人向けに、哲学、文学、アート、心理学、社会学などさまざまな分野の文献を参照しながら、退屈という身近で不思議な現象をしなやかに探究していく。

●著者紹介

ラース・スヴェンセン
一九七〇年生まれ。ノルウェーの哲学者。オスロ大学を経たのち、ベルゲン大学準教授として哲学を教える。Norwegian Philosophical Journalの編集者もつとめる。本書 Kjedsomhetens filosofi は、世界十五カ国語以上で刊行が決定する話題作となった。主な著書に "Kunst", "Mennesket, moralen og genene" など。

内容説明

人はなぜ、退屈することがあるのだろうか。どうして、自らの意思で退屈したり、また上手に退屈を乗り越えたりすることができないのだろう。現代人のほとんどが、退屈や倦怠感の経験を持っているにもかかわらず、ハイデッガーなど一部の哲学者をのぞいて、これまで真剣に考えられることは少なかった。本書は、広く一般の人向けに、哲学、文学、アート、心理学、社会学などさまざまな分野の文献を参照しながら、退屈という身近で不思議な現象をしなやかに探究していく。

目次

第1部 退屈の問題(哲学の問題としての退屈;退屈と近代性 ほか)
第2部 退屈の歴史(ac´edie―前近代の退屈;パスカルからニーチェまでの退屈の哲学 ほか)
第3部 退屈の現象学(感情について;存在論―退屈の解釈学)
第4部 退屈の倫理(僕とは何だろう;退屈と歴史 ほか)

著者等紹介

スヴェンセン,ラース[スヴェンセン,ラース][Svendsen,Lars]
1970年生まれ。ノルウェーの哲学者。オスロ大学を経たのち、ベルゲン大学準教授として哲学を教える。Norwegian Philosophical Journalの編集者もつとめる

鳥取絹子[トットリキヌコ]
富山県生まれ。お茶の水女子大学卒業。翻訳家、ジャーナリスト
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

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感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

はなよ

22
「働くことの哲学」が面白かったので、同じ著者で翻訳されていた本書を読んでみた。現代は技術の進歩で常に情報が入るようになり、それが私達を退屈させなくしている、と私達は思い込んでいる。実際は情報を常時取り入れるのが当たり前になってきて、かえって退屈になってきている、という事らしい。一旦情報が溢れる社会に慣れてしまった私たちには、それを感じる事が出来ない、だそうだ。その証拠に、私達は常に新しい情報を求め、心の底では交通事故や震災などの騒動が起こるのを待ち望んでいる。ただの情報では、私たちは退屈してしまう(続く2018/07/11

魚京童!

22
新書はときどき当たる。それがこれ。すげー良かった。退屈だから。私の人生が退屈だ。やりがいがあるけど退屈だ。なんでだろうって考えてみても退屈だ。退屈に答えなんかないから。退屈だ。でもどうしようもない。退屈だ。アー退屈だ、退屈だ。やることがあっても退屈だ。嫌なもんだな、退屈だ。退屈だ、退屈だ、退屈だ。どうしようもないんだな。2018/05/28

きゃれら

12
2005年に出た時に買ったのだが、哲学の本は当時読まなかったくせになぜ買おうと思ったのか記憶がない。何度か少し読んでは飽きて積んでいた。今この本が読み通せたのは今の自分の退屈が、この本の言う、自分という存在と世界との間における意味の欠如への直面という、より深刻な退屈に陥っているからか。キルケゴール、ウィトゲンシュタイン、フーコー、あるいはウォホール、クローネンバーグ、ペットショップボーズらの退屈との格闘という退屈な議論を読み通した結論が、退屈は避けられないから受け入れなさいというもの。でも納得。2021/08/29

coaf

9
『暇と退屈の倫理学』を読んで衝撃を受け、退屈という現象・感覚に興味を持った。本書は『暇と退屈の倫理学』で紹介されていたので、ぜひとも読んでみたく図書館で借りてみた。読みやすい文体だったが、内容は簡単とは言えない。この本は引用が多い。卒論を執筆中の身からすればただ驚くばかりである。どうしたらこれほどの量の文献を管理し、繋ぎ合わせることが出来るのだろうか。引用は興味深いが、そこだけ抜き取られても意味が理解しがたい、というような場合も多い。結局、退屈とはうまく付き合っていくしかないようだ。再読したい本である。2013/05/10

シッダ@涅槃

8
新書という形式にしてはかなり踏み込んだ哲学書という印象。正直読了直後のいまはなにを語れば良いかわからない。ただ本書を出発点に様々な哲学者、文学者の本を読みたくなった。息苦しさを感じることがあまりなく読むことが出来て幸いだった。2014/11/04

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