集英社新書
新人生論ノート

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  • サイズ 新書判/ページ数 222p/高さ 18cm
  • 商品コード 9784087202809
  • NDC分類 104
  • Cコード C0210

内容説明

戦後六十年にわたって、ハイデガーをはじめとする西欧の哲学や思想に向き合ってきた、哲学者木田元。本書は、著者が培ってきた思想のエッセンスをわかりやすく開陳した、ユーモアと機智に富んだ一冊である。故郷、記憶、運命、笑い、人生行路の諸段階、死、理性、性格、読者、自然、戦争体験、遊び、そして時間―。人生にまつわる十三のテーマは、現代日本屈指の哲学者の目にどう映ったのか。古今東西の古典から、時にはテレビドラマや流行歌の一節までを交えて軽やかに語った、味わい深い人生の書。

目次

三木清と『人生論ノート』について
故郷について
記憶について
運命について
笑いについて
人生行路の諸段階について
死について
理性について
性格について
読書について
自然について
戦争体験について
遊びについて
時間について
それぞれの秋

著者等紹介

木田元[キダゲン]
1928年生まれ。東北大学文学部哲学科卒業。中央大学名誉教授。フッサール、メルロ=ポンティ、ハイデガー等を中心に、独仏の現代思想に関する幅広い研究と翻訳を続ける
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

Yasomi Mori

4
ハイデガー研究の第一人者によるエッセイ。好きなものを見つけ、夢中になるためには訓練が必要である。そう語る著者の語り口は厳しくも優しい。/喪失した故郷、記憶、死、笑い、時間、自然etcを題材に。とくに理性や時間、笑いについての章は、哲学の領域で各論者の主張を簡潔に紹介するような内容も多く、整理されてよかった。亡くなるとき、氏はなにを思っただろうか。2016/08/03

よし

3
三木清の人生論ノートを愛読書の一つとしてきた。新、に思わず読んでみた。哲学を究めた人なので、堅苦しく、難解かなと思った。が、いい意味で期待はずれだった。山田太一のドラマやアリス「それぞれの秋」がてでくるとは。「 スピノザ 限定は否定である 「以来私は 自分は○○ だとか○○の専門家だとか自己限定しないことにした。」 2020/05/25

たやまん

3
いろんなことについて書かれていて面白かった。読書というのは筆者の思考回路をなぞったり自己投影して感情を豊かにしたりするために最初から最後まで一文字ずつ読むものあって情報がほしいだけなら読書である必要がないというかネットが普及しているけど読書の有用性は失われていないと思った。性格の話も面白い。時と場合によって性格が変わるのであまり自分や他人の性格を決めつけないほうがいい。西洋哲学もいいけど日本人が書いた哲学・思想本のほうが宗教の影響なんかを考慮すると多くの日本人にとって読みやすく役に立つのではなかろうか。2015/02/20

おらひらお

3
2005年初版。個人的には終章が一番面白かったような気がします。2014/05/11

Hiro

2
元々お気に入りの著者。敗戦直後に苦学して哲学者の道に進んだ経緯は本書にも出てくるし別の本でも面白く読んでいつも励まされてきた。本書の後半、「性格について」あたりから俄然文章に熱気が感じられ切実さが増してくるように思うのは私だけだろうか。何事かをトコトン好きになり物事に打ち込むにはそれだけの能力が必要でそれを養う訓練が要るという指摘は改めて胸に響く。読書についての考察の章も凄い。文章を読み理解するにも芸術その他を鑑賞するにも体得の度合いは様々でより深い部分にまで達する努力が必要だと言う。まさにその通り。2022/04/20

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