出版社内容情報
誰もがマリアに恋い焦がれていた。
殺してしまいたいほどに――
美しい女子高生はなぜ消えたのか!
2023年ノベル大賞<佳作>受賞、失踪からはじまる青春ミステリー!
全寮制の名門女子校白蓉女学院で“白蓉のマリア”と謳われる女子高生・藤城泉子が消えた。事件か事故か、あるいは泉子の自由意思による失踪か。動揺に追い打ちをかけるように、泉子の実家で放火殺人が起こり、犯人と目される大学生を15歳の少年が刺傷する事件が発生。寮で同室だった鮎子は泉子を案じ、泉子の従兄の藤城薫と行方を追うのだが、薫は泉子がすべてを仕組んだと言い出して……。
彼女がいて、私がいて、それで完璧だったはずなのに。
従兄弟、幼馴染み、ルームメイト、王子…マリアの失踪に、やがて周囲は歪み始める――。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
よっち
25
全寮制の名門女子校白蓉女学院で“白蓉のマリア”と謳われる女子高生・藤城泉子の失踪。寮で同室だった鮎子が泉子を案じて、彼女の従兄・藤城薫とその行方を追う青春ミステリ。泉子の失踪は事件か事故か、彼女の意思によるものか。追い打ちをかけるように発生する、泉子の実家で放火殺人が起こり、犯人と目される大学生を15歳の少年が刺傷する事件。薫とともに調べる中で明らかになる、泉子と周囲を巡るままならなかった背景や、かつて同室だった鈴との意外な関係があって、鮎子自身の複雑な想いも絡めながら辿り着いた真相が印象的な物語でした。2024/04/16
辛口カレー
0
ミステリではないですね。意外な犯人もトリックもない。失踪した少女の行方をだらだらと、少女とは大した関係もない主人公が訳のわからん動機をもって鬱陶しく追いかけるだけの話です。文章はうまいですけど、その文章も全文キメゴマみたいな書き方で濃淡がなく「いまのくだりで一番重要な情報って結局なんなの?」みたいな、印象に残る一文や情報がないのでかったるいです。うまいだけで心に残らない小説ってあるんだなと辟易しながら読みました。とってつけた主人公と両親との関係はいらないし、マリア目線で物語を書いた方が面白かったと思います2024/04/29
kokekko
0
2023年度ノベル大賞系の三作品を全部読んだが、これが一番面白かった。でも表紙の絵が合っていないと思う。作中で描写される「マリア」のイメージとこの絵とはいろいろな部分が違う。何でこれでOKが出たんだろう?2024/04/20