ダッシュエックス文庫 タイムシフト―君と見た海、君がいた空

午後１２時の男【著】

集英社（2017/10発売）

• サイズ 文庫判／ページ数 371p／高さ 15cm
• 商品コード 9784086312127
• NDC分類 913.6
• Cコード C0193

出版社内容情報

少女リノと同居生活を始めることになった高校生のレキ。人懐こいリノに親友も加わり、楽しい日々を過ごしていた。そんな中、海水浴へ行くことになるが、世界の「不具合」によってすべてが崩れ始め──!?

内容説明

始まりは、あの夏休みの最終日。道に迷っていた七尾レキは、民家の庭木によじ登り、猫を助けようとしていた変な少女、八神リノと出会った。のんびり屋のレキ。天真爛漫で、ちょっと寝坊助さんで、手のかかる妹のようなリノ。偶然にも同じ家で居候することになった二人。親友のユウキとアザミも仲間に加わり、商店街に遊びに行ったり、季節外れの海水浴も楽しんで。そんな日々を重ね、そして二人は、ごくごく自然に恋に落ちた。だけど、この世界は大きな“不具合”を抱えていて―それは遙か遠く、ある世界の片隅で紡がれた、甘く切ないボーイミーツガール。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

[よっち]

壊れつつある世界で印象的な出会いを果たした少女・八神リノと、偶然同じ家に同居することになった少年・七尾レキ。彼らが世界の崩壊を食い止めるため立ち上がる青春SF小説。不具合が顕在化した世界でカムナギという異常体質に蝕まれているレキたち。それでも親友のユウキやアザミに妹ミナたちも交えた青春な日々を過ごす中で起きた事件。初々しいやり取りが甘酸っぱい不器用な二人が直面する真実と運命はどこまでも残酷で、絶望的な状況でも諦めなかった彼らの強い思いがどのような結末に繋がってゆくのか、続きをまた読んでみたいと思いました。

2017/10/25

[HANA]

SFな感じの恋愛話。それぞれ色々な能力をもった少年少女が話の軸になって設定的には壮大な感じ。突然に明かされる事実には驚いたし、その後の展開がほとんど下り坂という感じではあったけれど最終的には希望がありそうではあったので読み終わったあと嫌な気分は全然なく。次回作も楽しみ。

2017/11/28

[かわゆきか]

こういった設定は大好きだが、後半の変化が当たり前のように進むので、あまり驚けなかったのが残念。人類共通の問題として認識されてるのに、差別があるのも違和感。話は面白かったので、もったいない感じ。

2017/12/24

[ぶなぶな]

過去の大災害をきっかけに様々な異常現象が発生する街で描かれる、カムナギと呼ばれる特異な体質を持った少年少女の物語。青春恋愛が中心かと思ってたら結構SF的な世界観。つまらなくはなかったし最後に希望が見えたことは良かったと思うけど、明かされる様々な事実はどこか唐突に思われてあまり展開についていけなかったというのが正直なところです。でも人物達のやり取りや心理描写は良かったので、次作は等身大の恋愛ものなどが読みたいと思いました。

2017/11/11

[真白優樹]

―――こんな壊れた世界でも、君と共にいたいから。異能力という異物である力の存在する続く日常、だけどその世界が凍り付き破綻する時、救えぬ世界の真実が明かされる。だけど、こんな虚構の世界でも、時の流れに翻弄される世界でも、共にいたい人がいるから。どこか壊れた、儚げな世界の中で恋をして、互いの世界から手を伸ばすこの物語。某鍵作品の中でもkanonやCLANNADnのような作品が好きな読者様にはお勧めできる作品であると感じる。世界は変わらぬ、だけどそれでも君がいるから頑張れる、希望がある。 うん、面白かった。

2017/10/29