出版社内容情報
鉄からなんでも生み出す少女、オーリャドを描く「ファニーフィンガーズ」ほか、ラファティがおくるキュートでコミカルな物語20篇
内容説明
鉄からなんでも生み出す少女、オーリャド・ファニーフィンガーズ。やがて彼女にボーイフレンドができるが…。愛らしくもせつない「ファニーフィンガーズ」、“ベンガル・タイガー団”を率いる少女カーナディンが殺人事件で驚くべき推理を披露する「恐るべき子供たち」、笛を吹くと舞い降りてくる奇妙な月で遊んだ遠い日々を想う「昔には帰れない」など、キュートで謎めいた物語全20篇を収めたベスト・オブ・ベスト第二弾。
著者等紹介
ラファティ,R.A.[ラファティ,R.A.] [Lafferty,R.A.]
1914年米国アイオワ州の生まれ。電気技師を経て、1959年、44歳の時にデビュー。ユーモアと幻想の入り混じった不思議な短篇で注目を集める。1968年にはじめて長篇を、それも立て続けに3冊発表。1972年には短篇「素顔のユリーマ」でヒューゴー賞を受賞した。2002年死去
牧眞司[マキシンジ]
1959年生、東京理科大学卒、SF研究家・文芸評論家(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ふりや
10
牧眞司さん編纂のベストコレクション第二弾。テーマは「カワイイ篇」魅力的で個性的なキャラクターたちが活躍するキュートで奇想天外でドタバタな物語を20篇収録。鉄からなんでも生み出す少女、間の抜けた天才発明家、ひと晩のうちに億万長者とホームレスを経験する男などなど、クセのある登場人物たちが実に愛らしい。浅倉久志さんや伊藤典夫さんの訳文も素晴らしいです。印象に残ったのは、『ファニーフィンガーズ』『恐るべき子供たち』『公明にして正大』『昔には帰れない』『スロー・チューズデー・ナイト』『九百人のお祖母さん』など。2021/12/04
シタン
9
登録し忘れ。ラファティ・ベスト・コレクションの第二弾でカワイイ篇ということだが確かにカワイイ。正義。とはいえこのカワイイはそんじょそこらのカワイイを想像してもらっては困る。世にもおぞましいへんてこりんな可愛さなのである。 印象に残っているのは特殊な能力を持つ子どものお話。カワイイ。 第一弾よりも読みやすいのが多い気がするので順番が逆の方が良いのではないかと思ったりするが、気のせいかもしれない。いや、第一弾を読んでから第二弾を読んだからか? ファニーフィンガーズって良い名前だな。この名前で組織作りたくなる。2023/02/01
スターライト
8
ラファティ・ベスト・コレクション第2巻は、表題作など計20篇収録。ラファティの作品は、突拍子もない冒頭に始まり、予想のつかない展開、人を喰ったようなエピソードをはらみつつ、結末へと収束していく印象がある。さりげなく散りばめられた言葉には、ユーモラスなストーリイに一見そぐわないラファティ自身の関心の深さ、知識の奥深さを感じてしまうのは僕だけではあるまい。お気に入りは「せまい谷」「うちの町内」「一期一宴」あたりか。2022/04/06
ふみふみ
8
ラファティの饒舌でタガの外れたホラ話スタイルは読みやすいのですが(翻訳者に依る部分も大)、地域性、民族、宗教・神話などのコノテーションに疎遠な私にはかなり異質、シュールで結局なんだかよく分からないという印象に終わることも多いです。表題作などはその典型例でしょうか。よって個人的な好みとしては奇想天外なアイデアとクレイジーさが秀逸な「日のあたるジニー」「せまい谷」、次が「公明にして正大」「みにくい海」「浜辺にて」になります。 2021/12/12
garth
6
「人間は、一度にたった一日の人生を生きるべきなのだ」あらためて「九百人のお祖母ちゃん」の語り口の上手さに舌を巻いた。2022/02/10
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