感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ehirano1
87
アートマン、ブラフマンなどのインド哲学と古事記を融合した興味深い話でした。とにかく著者の創造力、想像力は圧巻でした。2019/10/14
マリリン
55
万年・億年...世界観が壮大。神話・古代文明・天文学・密教(宿曜経)等の要素が絡み合うホラー感もある伝奇小説。既知の土地の登場がリアル感を増す。天文博士や陰陽師が星を観察し占星暦を創ったといわれる古代の天文台、星宿図と武がうけた聖痕、数の暗号である三の意味。馬・埴輪・絵馬・三種の神器。宇宙の神秘から生まれた星や星雲が人間や自然界に与える影響は計り知れないだろうと思わずにいられない。「星の宗教」は読んでみたい。他にも気になる書名が満載の諸星作品は、以前から読んでみたいと思っていた。諸星ワールドに惹かれる。2021/12/23
kasim
35
くらくらするほどスケールが大きい。諏訪のタケミナカタ、出雲のオオナムチ、九州の装飾古墳群、宇佐近辺の摩崖仏、馬頭のスサノオ、邪馬台国、武内宿禰、大阪のヤマトタケルの白鳥陵、オリオン座、羅睺星、弥勒菩薩。単独でも心躍る、けれどばらばらな古代や神話のモチーフが驚異の技で一つにつながる。物語の力というのは要素をつなげる力でもあるんだな。著者の不思議な短編は楽しんだことがあるが、代表作の一つと言えるこの長編はさすがの迫力だった。しかも今の漫画なら少なくとも5冊分はありそうな内容が凝縮されている。2025/03/27
あたびー
34
あまりにも壮大で理解が追いつかないよ。武少年は父の死の謎と縄文文化を追い求めて諏訪へ足繁く通ううち謎の老人に声をかけられる。その老人に誘われて入り込んだ洞窟にはタケミナカタと言う恐ろしい怪物が…武の肩についていた傷はその怪物に付けられた聖痕だった。というのを皮切りに全能のアートマンとなるべくあちこちを旅して聖痕を増やしていく武。武を追う菊池。ラストは想像もつかない規模で口あんぐり。もう一編、徐福に攫われて東海に日本を訪れた子供たちの物語が入っています。2021/08/12
あーびん
32
考古学、民俗学、インド哲学、仏教、神学、歴史、古事記、SF、オカルトなどなどありとあらゆる要素をごった煮にして壮大でとんでもないオチへとたどりつく伝奇ロマン漫画。なんだかよくわからないけどすごい~みたいな感じになりつつも妙な説得力をもつのはあの独特な絵の魅力によるんだろうな...旧劇エヴァっぽい!って思ったら庵野秀明もガッツリ影響を受けていた模様。凄すぎてまだぜんぜん消化できてないです。2020/12/10