感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ヴェネツィア
289
細江英公の撮影になる写真集。細江は三島由紀夫の『薔薇刑』や土方巽の『鎌鼬』などで名高い写真家。巻頭にはミロのガウディと滝口修造へのオマージュの絵を掲げた、なんとも豪華な写真集。グエル公園にはじまり、サグラダ・ファミリアで閉じるのだが、その間にカサ・ミラほかの邸宅群を配する。写真は細部に拘泥したアングルのものが多い。こういう視点から見るのか、と目を開かれる思いがする。まさに本質は細部にこそ宿るのか。いずれも感嘆の想いで茫然と眺めるしかないのだが、最後のファミリア聖堂までやって来ると⇒2023/11/08
コットン
72
細江英公の人物写真と同様に特にモノクロにおいて、光と影の隙間から建物の鼓動すら聞こえてきそうなガウディの宇宙が見える写真集。2020/09/26
毒兎真暗ミサ【副長】
31
ガウディの建築物。それは祈りの集結。昼と夜の顔を持ち、包み込むように誰かを待っている。外部は威嚇する棘をもつのに。内部に受け入れれば暖かい洞窟。慈愛が反響する。抱擁が共鳴する。神の雫のように、其処にいる心。太陽も月も味方にして。傷を癒やす。宝石の、鱗。2024/01/07
Koki Miyachi
8
三島由紀夫を撮影した「薔薇刑」が好きだったが、この本も好きな一冊になった。GAなどで、長らく建築写真家二川幸夫の建築写真に親しんできたが、細江英公の写真はまたひと味違う。説明的にではなく、建築空間やディテールを写真的な構想で切り取る。これが一番の違いかも知れない。建築家としてガウディの手の跡、思い入れが込められたディテールが、慎重なライティングで浮かび上がる。写真家のこう撮りたいというイメージが重ねられ、建築の新しい姿を見せてくれている。2015/05/22
takao
0
ふむ2025/05/08