出版社内容情報
1983―1984年、29歳の頃の大友克洋が制作し、月2回刊時のヤングマガジンに連載していた『AKIRA』の第15~28回(ヤンマガKC版1巻のp280から2巻のp200まで)を発表時のままの形で収録した、大友全集版『AKIRA』の第2集(全8巻)。
今巻も前巻の収録仕様を継承し、扉絵を含めた全てを出来うる限り連載時の状態に戻した「連載バージョン」にて刊行(※大友全集版『AKIRA』の企画意図や編集方針の詳細については前巻『AKIRA 1』の内容紹介文を参照)。
もちろん貴重なカラー扉や本編カラーページも、連載時のままカラーで収録。
ヤンマガKC版(全6巻)では一巻ごとに「鉄雄」「アキラ」「アキラII」「ケイ」「ケイII」「金田」とパート分けされ、各巻が1冊まるごと切れ目なく読める形に再編集されていたが、全集版では雑誌連載時そのままの形で1話(約20ページ)ずつが独立し、話数順に並ぶ収録形式になっており、1話単位の連続モノとして物語を味わうことができる。
そのまま読んでも充分に面白いが、KC版と読み比べれば『AKIRA』という作品の構成の緻密さや物語構築の妙などがより鮮明になり、さらに深く作品を楽しめることだろう。
全『AKIRA』ファンに捧げる必携・必見の連載バージョン、待望の第2巻。“LIVEな連載版『AKIRA』”によって発表当時の興奮を追体験せよ!
※「OTOMO THE COMPLETE WORKS」第13巻
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ねりわさび
84
1983年7月から84年2月まで連載された原稿をカラーを含めて復刻した全集13巻。既発単行本とは違うセリフや画角などが収録。1巻と同じく作品解説が載っていないため当時の裏話は無いのですが最終巻あたりで記載されるのでしょうか。資料的に興味深い本でした。面白かったですね。2025/04/22
ぐうぐう
30
『大友克洋全集』で再読。全編すべてがアクションシーンと言ってもいい第2巻。思い返せば『童夢』は漫画表現の限界に挑むことで従来の漫画を超える作品となった。その可能性は、しかし漫画であることを目指しており、徹底的に漫画にこだわった作品だったと言える。ところが『AKIRA』のこの連続するアクションを読んでいると、大友は動かす衝動を抑えられないように思えてくる。大友自身による『AKIRA』のアニメ化は必然だったのだと痛感させられるのだ。2025/04/24
KDS
5
第2巻は旧単行本の第1巻の終盤から第2巻の中盤すぎあたりまで。この感じだと「AKIRA」は全8巻ほどになるのかな?全集のナンバリングは最終巻が「19」になるのでそれでちょうどよくなる。今回も雑誌連載時の状態に戻したカラーページの掲載がみどころ。第1巻では「以下次号」などの雑誌連載ならではのセリフまわしが復活してたので明らかな相違が明白だったが、今回の場合は読み比べてみないとちょっとわからない。全編既読のためどうしても資料的な事柄に目がいってしまうが、しばらく読んでいなかったので純粋に楽しめたりもしている。2025/04/27