出版社内容情報
「人は嘘をつく生き物だ。
真実を知らなければ、本当の弁護なんてできやしない」
刑事の職を辞して
弁護士として犯罪を憎む西大輔。
被害者の加納の前科を探るうち、凛子と西は突然、弁護士解任を通告される。
涼香の虚偽の供述には理由があると感じた二人は、
彼女が一人息子の響を亡くした四年前の出来事に辿り着く。
ホスト殺害の裏に潜む残忍な幼児への性的虐待事件の真相とは。
内容説明
加納の前科を探るうち、凜子と西は突然、弁護人解任を通告される。涼香の虚偽の供述には理由があると感じた二人は、彼女が一人息子の響を亡くした四年前の出来事に辿り着く。ホスト殺害の裏に潜む幼児への残忍な性的虐待事件の真相とは。「罪を償う」ことを考え続けてきた著者渾身のリーガル・ミステリ!
著者等紹介
薬丸岳[ヤクマルガク]
1969年兵庫県生まれ。2005年に『天使のナイフ』で第51回江戸川乱歩賞を受賞しデビュー。’16年に『Aではない君と』で第37回吉川英治文学新人賞を、’17年に短編「黄昏」で第70回日本推理作家協会賞〈短編部門〉を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
Y.yamabuki
19
下巻に入ると次々に伏線が回収され、裁判が始まる速い展開。最後に裁判で残る疑問が解かれる。ページを捲る手が止まらない。“残忍な凶悪犯にも、弁護は必要なのか?”が、1つのテーマ。真実を知りたい、冤罪を防ぎたい気持ちに繋がるのだろう。 2025/04/24
オヤニラミ
17
被告人・涼香の証言が二転三転し、凛子と西は何か隠している事をどうにかして証明したいが…涼香は弁護人の交替までも口にし、凛子はともかく西が外される事に。その後も関係者達に粘り強く聞き込み徐々に真実へ近づいていく!!弁護人二人が涼香の犯した事の償いを願い動くが、涼香本人は色々な人達を苦しめたと自分善がりな思いやりで全てが悪い方に行っていたような😑刑事としては本当に失格かと思います。刑事事件の弁護人、特に犯罪を犯した側の弁護もこれほど厳しい職業だと分かり法廷シーンもリアリティで読む手が止まりませんでした。2025/04/29
ぴ〜る
17
被害者、被害者家族として、加害者、加害者家族として、立ち位置によって何を思うかも物凄く変わってくるんだろうと思う。背負っている過去がとても重くて私には計り知れない感情が行き来している。凶悪な犯罪などの弁護となると、どこかで不快な気持ちを持っている自分もやはりいて弁護士の心の奥底などきちんと考えたことがなかった事に改めて気づいた。2025/03/26
tama
8
西は突然弁護人を解任される。 涼香は凜子に対しても不信感を隠さない。 法廷シーンの緊迫感。 証言に立つ人々が背負う人生。 涼香の決意。 罪と罰について問いかける極上のミステリー。 ラストまで一気読み。 胸が詰まる。2025/05/14
鉄人28号
6
☆☆ リーガルミステリー。被疑者は現職警察官。殺害したことは認めているものの正当防衛であったと主張。その動機解明をめぐって検察と弁護人が法廷で争う。被疑者の犯罪行為に今一、納得感が得られない。2025/03/30