出版社内容情報
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内容説明
邦文タイピストの少女がついた歴史を変える嘘や、禁書運動家の母親を持つ少女の始祖サンドで繋がれた絆、流行り病“ゾンビ”で親友を亡くした女性の不思議な一晩etc.人生ベストの一編が、ここに。ファンタジックな世界観と異国情緒ただよう文体で綴られる、明日への願いと祈りに満ちた6編。
著者等紹介
坂崎かおる[サカサキカオル]
1984年東京都生まれ。2020年「リモート」でかぐやSFコンテスト審査員特別賞、’21年「電信柱より」で百合文芸小説コンテストSFマガジン賞を受賞。’24年「ベルを鳴らして」で日本推理作家協会賞短編部門を受賞、『海岸通り』で芥川賞候補となる(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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乱読太郎の積んでる本棚
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
花ママ
64
初読みの作家さん。6編の短編が収録されていました。タイトルの箱庭クロニクル=年代記、記録、物語からして、不可思議な雰囲気でした。私には難解すぎました。唯一「ベルを鳴らして」は、腑に落ちました。決して苦手というものではなく、私にとっては、自分の肌感覚で味わう小説になるのかと思いました。2025/02/01
シャコタンブルー
60
時代も場所も人物像も異なる六話の短編集。短編受賞作「ベルを鳴らして」は戦前から戦後の混沌とした時代をタイプライターと漢字を用いた巧みで儚い別離が鮮やかだった。それ以上に印象に残ったのは「あしながおばさん」とんかつ店のスタンプカードが廃止になることで「おばさん」の平穏な日常が次第に崩れていく展開が興味深い。細やかな幸せが無くなってしまうことで起こる悲喜劇はストーカー、クレーマー等の行動も伴い、信頼から不安そして不信へと心情が不規則に変化していく。不思議な可笑しさとある種の憐憫を感じた。2025/01/23
ぼっちゃん
56
【第46回吉川英治文学新人賞受賞作】全く感じが異なる物語6編の短編集。どの話も独特の世界観で楽しめたが、邦文タイプライターの生徒と中国人の先生の物語である『ベルを鳴らして』がミステリー的な部分もあり面白かった。この『ベルを鳴らして』は日本推理作家協会賞短編部門受賞作とのこと。また芥川賞候補にもなったとこがあるようなので純文学系かな。【図書館本】2025/02/01
konoha
50
坂崎さんはこんなに色んなタイプの作品を書くんだと驚いた。時代や場所を自在に行き来し、まさに箱庭クロニクル。日本推理作家協会賞を受賞した「ベルを鳴らして」が素晴らしい。邦文タイピストの学校に通うシュウコと小枝子、中国人の林先生の関係性をタイプライターの文字で鮮やかに表現する。文字一つで泣きそうになるなんて。時代に翻弄されるシュウコの思いや葛藤が伝わってくる。朝世と無口な部下、すみれの「名前をつけてやる」も好き。名前では定義できないが、細い糸でつながった関係。いびつで少し痛くて、生々しい手触りが忘れられない。2025/04/11
けいぴ
46
6編の短編集。雰囲気は好みだけれど、どの話も会話文がすっと頭に入ってこない。「ベルを鳴らして」が1番好み。2025/03/28