講談社文庫<br> 硝子戸のうちそと

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講談社文庫
硝子戸のうちそと

  • 半藤 末利子【著】
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  • 講談社(2024/03発売)
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  • サイズ 文庫判/ページ数 256p/高さ 15cm
  • 商品コード 9784065350331
  • NDC分類 914.6
  • Cコード C0195

出版社内容情報

夜中にふと目が覚めた。そんなことはこの夜に限ったことではない。若いころなら枕に頭をつけた途端に寝入って朝まで目覚めないのが当り前のことだった。今はそうはいかない。何度寝返りを打っても廊れないときは眠れない。そういう日は手洗いに行き、睡眠薬を服用してから寝床に戻る。そうして何とか朝方まで寝入る。目覚めた時間が六時、七時だと起きてしまう日もあれば、それから九時、十時までぐっすり睡る日もある。
 今夜は私一人である。隣りで寝息をたてたり寝返りを打つ音がまるで聞こえてこない。私は臆病だから私を取り巻く静寂な闇が、私を抑えつけて胸を圧し潰したりしないか、とビクビクしている。
 でもその夜は一人きりのわりには、不思議なほどこわくなかった。もう老人だものなぁ。私がお化けになって人に恐がられる日も間近いのかもしれない。そんなことを考えた。
 夫は今朝入院して、今はいないのである。……
 夫が救急車で入院するのもおそらく珍しいことではなくなって、その回数も増えていくであろう。私がその都度うろたえないように、あわてないように、と神様が私に練習の機会を今日は与えて下さったのであろうか。
 八十七歳と八十二歳の夫婦には、やがては無に帰する日が来るのであるが、その日が来るまで長く生きていくのは、それほど容易なことではない。試練はまだこれからか。とにかく年を取るということは、避けることができないだけに、大変な大仕事なのである。

年を重ねると同じものが別のように見え、かぎりなく愛しくなってくる。一族の歴史、近所のよしなしごと、仲間たち、そして夫との別れ。漱石の孫である著者によるエッセイ集。

内容説明

「墨子を読みなさい」「日本人は悪くないんだよ」作家である夫・半藤一利が亡くなる日に語った言葉―。年を重ねると同じものが別のように見え、かぎりなく愛しくなってくる。一族の歴史、近所のよしなしごと、仲間たち、そして、大酒飲みだが優しかった夫との別れ。漱石の孫である著者によるエッセイ集。

目次

漱石山房記念館
一族の周辺
硝子戸のうちそと
まちと仲間と
人みな逝く者
年を取るということ
夫を送る

著者等紹介

半藤末利子[ハンドウマリコ]
エッセイスト。1935(昭和10)年、作家の松岡譲と夏目漱石の長女筆子の四女として東京に生まれる。1944(昭和19)年、父の故郷である新潟県長岡市に疎開、高校卒業まで暮らす。早稲田大学芸術科、上智大学比較文化科卒業。夫は作家で昭和史研究家の半藤一利。六十の手習いで文章を書きはじめる。夏目漱石生誕150年の2017(平成29)年に新宿区立漱石山房記念館名誉館長に就任(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

まめの助

3
★★★☆☆半藤一利さんの奥様のエッセイ集。てっきり旦那様とのエピソードメインかと思っていたら、奥様は夏目漱石のお孫さんだそうで、子供の頃の思い出や一族のあれこれが多め。旦那さんをバカ男と呼びながら、日々のお話は仲良しそのもの。ズバッとした物言いなのに謙虚で、とても可愛らしい人だった。2025/04/19

小倉あずき

2
初・半藤末利子さん。江戸風のカラッとした感じの語り口による「漱石の孫」話に始まり、ご夫君とのじいさんばあさん暮らしの話にスライドし最後は一利さんの大腿骨骨折からのリハビリ、再手術、そしてご臨終に至る記録となる。まるで雪崩のように体調を崩されてゆく一利さんの体調に一喜一憂、オロオロしながらも気丈に生活を維持しようとする末利子さんの妻としての姿に感銘を受ける。それにしても夫婦最後の会話に墨氏の話が出るなんて、やっぱ半藤家はインテリだ。一利さんのご冥福と末利子さんのご健勝をお祈りします。2025/04/08

Tak

1
半藤先生の奥様の著書。夏目漱石の孫と言うだけあり非常に読みやすくテンポが良いです。半藤先生の亡くなる前からの流れは夫婦愛に溢れて非常に感動しました。早く夫の元に行きたいと書かれていますが焦らずもう少し現世で色々な作品を残していって頂きたいです。2024/03/29

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