出版社内容情報
2017年夏、甲子園初出場を果たした堤尚彦監督。
おかやま山陽高校では66カ条からなる部訓を掲げているが、その14条「甲子園を愛しているのではなく、野球を愛している」 が、まさに本書のテーマとなっている。
著者がおかやま山陽高校の監督就任した2006年に、「10年後」の目標として以下の3つを掲げている。
1.プロ野球選手を輩出する
2.甲子園出場
3.部員100人超え。その人数でも全員が練習できる環境を整える
甲子園出場には11年かかったが、見事に目標を達成し、指導者としての地位を確立した著者だが、プレーヤーとしての実績はゼロに近い。
顧問はいれど監督はいない…そんな弱小都立高校の野球部に入部し主将兼コーチ兼監督を担った高校時代。大学は名門・東北福祉大学に進学するもレギュラーメンバーに選ばれることなく卒業。
が、テレビで見た青年海外協力隊でジンバブエの初代野球普及隊員の姿に憧れて、同隊に参加。アフリカの子どもたちとの交流で著者の人生は一変する。
さらに、諸見里しのぶのマネージメントをしていた福岡でのビジネスマン時代に出会った野球界のレジェンド・村田兆治氏や著者が師と仰ぐ慶應義塾大の元監督・前田祐吉氏との出会い……と、エピソードには事欠かない。
そして2019年、東京オリンピック予選ジンバブエ監督に就任、手腕をふるった。現役の高校野球部監督が、他国のナショナルチームの指揮をとるのは日本初の試みとなり、メディアでも多く取り上げられたが、華やかな報道の裏で起こっていた高野連との数々の交渉の実態も描かれている。
落ちこぼれ野球選手→青年海外協力隊→スポーツビジネス界→甲子園出場→高校野球監督&東京オリンピック予選ジンバブエ代表監督と、本人曰く「(日本球界の)裏街道を歩んできた」という、堤尚彦の「野球愛」をあますことなく語った1冊となっている。
内容説明
独学で野球界の荒波をかき分ける男のユニークすぎるキャリアと球界改革論。
目次
序章 二つのメッセージ
第1章 原点
第2章 選手時代
第3章 アフリカへ!
第4章 スポーツマネジメントの世界
第5章 高校野球の監督に
第6章 コロナ禍と高校野球ビジネス論
第7章 出会いがあるから今がある
第8章 ジンバブエ代表監督就任
第9章 これからの野球の普及
終章 あなたの夢はなんですか?
巻末付録 おかやま山陽硬式野球部部訓
著者等紹介
堤尚彦[ツツミナオヒコ]
1971年兵庫県生まれ。東京都立千歳高校卒業(現・都立芦花高校)後に東北福祉大学に進学。ともに野球部に所属。大学卒業後に青年海外協力隊でジンバブエに2年間滞在し、アフリカの地で野球の楽しさを普及。99年には再度、青年海外協力隊員としてガーナに1年間滞在。帰国後はスポーツマネジメント会社に勤務し、女子プロゴルファー・諸見里しのぶのマネジメントなどを務め、2006年におかやま山陽高校野球部の監督に就任。監督になって12年目の17年の夏に全国高校野球選手権大会に、翌18年の春には選抜高等学校野球大会に出場を果たす。おかやま山陽高校の野球部では、11年からJICAの「世界の笑顔のために」プログラムを通じ、中古の野球道具を開発途上国に送る活動を続けている。また、教え子を青年海外協力隊員などに育て、野球の普及の人材育成などにも尽力している。青年海外協力隊時代から続ける「世界に野球を普及する活動」が縁となり、99年のシドニー五輪アフリカ予選のガーナ代表コーチ、2003年アテネ五輪アジア予選のインドネシア代表コーチ、19年の東京五輪アフリカ予選のジンバブエ代表監督を務めた(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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