出版社内容情報
なぜ熊楠は完成を嫌ったのか?
驚くべき才能を多方面に発揮しながら、
その仕事のほとんどが未完に終わった南方熊楠。
最新の研究成果や新発見資料をとりあげながら、
熊楠の生涯を辿り、
その「天才性」と「未完性」の謎に迫る!
<熊楠をめぐる13の謎>
・十数年前にとったノートの内容をそらで思い出せる記憶力
・51篇も論考を発表していた「ネイチャー」への投稿を中止
・渡英後、熱中していた植物学の研究を停止
・大英博物館に迎えられてから、何をしていたのか
・語学の天才・熊楠の勉強法とは?
・「エコロジーの先駆者」だが、数年でフェードアウト
・なぜ「希少な生物」だけでなく「ありふれた植物」も守ろうとしたのか
・「人類史上、もっとも文字を書いた男」と呼ばれる理由
・どうして一度も定職に就かなかったのか
・ともに民俗学の礎を築いた柳田国男と喧嘩別れ
・変形菌(粘菌)の新種は発表したが、キノコの新種は未発表
・なぜ夢の研究を長年続けたのか
・集大成となるような本を、どうして出版しなかったのか
内容説明
なぜ熊楠は完成を嫌ったのか?驚くべき才能を多方面に発揮しながら、その仕事のほとんどが未完に終わった南方熊楠。最新の研究成果や新発見資料をとりあげながら、熊楠の生涯を辿り、その「天才性」と「未完性」の謎に迫る!
目次
第1章 記憶力―百科事典を暗記する
第2章 退学と留学―独学の始まり
第3章 ロンドンでの「転身」―大博物学者への道
第4章 語学の天才と、その学習方法
第5章 神社合祀反対運動と「エコロジーの先駆者」
第6章 田辺抜書の世界―人類史上もっとも文字を書いた男
第7章 英文論考と熊楠のプライド―佐藤彦四郎というライバル
第8章 妖怪研究―リアリスト熊楠とロマンチスト柳田国男
第9章 変形菌(粘菌)とキノコ―新種を発見する方法
終章 熊楠の夢の終わり―仕事の完成と引退とは何か?
著者等紹介
志村真幸[シムラマサキ]
1977年、神奈川県生まれ。京都大学大学院人間・環境学研究科博士課程修了。南方熊楠顕彰会理事、龍谷大学国際社会文化研究所研究員、慶應義塾大学非常勤講師。専門は比較文化研究。『南方熊楠のロンドン』(慶應義塾大学出版会)でサントリー学芸賞(2020年、社会・風俗部門)、井筒俊彦学術賞(2021年)を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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