出版社内容情報
亡きあとも綴られる、書かれるはずのない母の日記。
向き合えなかった家族の物語が巻き戻っていく――。
二年前に父が他界し、先月には母もこの世を去った。
不動産会社で働く原田燈子は、天涯孤独になった。
でもずっと前から一人だったのかもしれない。
二十年以上前の不幸な出来事をきっかけに――。
不可思議な死者の日記が繋ぐ「この世」と「あの世」、そして「過ち」と「赦し」。
【目次】
内容説明
二年前に父が他界し、先月には母もこの世を去った。不動産会社で働く原田燈子は、天涯孤独になった。でもずっと前から一人だったのかもしれない。二十年以上前の不幸な出来事をきっかけに―。向き合えなかった家族の物語が巻き戻っていく。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
starbro
224
彩瀬 まるは、新作をコンスタントに読んでいる作家です。本書は、デビュー15周年記念作品、夜行幻想譚家族小説、不思議な世界観でした。 https://www.kodansha.co.jp/book/products/00003743282025/10/18
いつでも母さん
157
その世界はまだ踏み入れてないのだし、そこから戻って来た人を知らない。だから、彩瀬まるの本作をどう感じ取るかなのだなぁ。死の匂いというか、死を想う香りを感じることが多い作者(当方比)故に死者が死者を慮る情もさもありなんか。亡くなった母の日記・・私は読むか?実家に有るんだよな何冊も(汗)私のお宝ってなんだろう。2025/10/29
しんたろー
134
彩瀬さん新作は「不思議な方」の作品…物語は母を亡くして間もないOL・燈子、魂として彷徨っている母・晶枝、二人の視点が主で進行する(晶枝の夫・啓和の視点も入る)…著者らしい目に浮かぶような情景描写と繊細な心情表現が、スッと沁みてくる。女性や母親の心理が多いので、オジサンの私には全てを理解できてはいないだろうが、それでも頷く部分が多かった。また、死後の世界を描いているパートでは恒川光太郎さん作品に似た「神秘的なホラー」とも感じた。好みが分かれると思うが、私にとって切なさと温かさを味わえた幸福な読書時間だった。2025/11/20
モルク
127
2年前に父が、そして先月母が亡くなり実家の片付けに来た30代の燈子は母の日記を見つける。そこには亡くなった後も透明ではあるが紛れもなく母の文字で綴られていた。3才で交通事故で逝った息子の死をいつまでも悔やむ母、そのせいで亀裂が入った夫婦そして娘との関係。死後の世界で夫と再会するもさらに息子を探し続ける母。死後は煩悩から解放され花畑の中で暮らすわけではなさそうだ。死後も苦しみは続く。あの世とこの世の交差点。死者の夜行はどこへ向かうのか。不思議な世界観、でも嫌いじゃない。2026/01/27
白ねこ師匠
89
[★★★★★]母を亡くした娘、そして死後冥界を彷徨う母とそこで再会した夫。現世とあの世を舞台に、過去の不幸な事故で負ったそれぞれの深い悔やみを昇華させるまでを描く。素晴らしかった。現世の心残りを噴き出して身軽になる場、というあの世観が好き。いつか行くそこがそんなところであってほしい。みな暗い部屋に自分を縛り付ける心残りを抱えているが、人々の営みの積み重ねと偶然とによって様々な形でそこに光があたる。永遠に続くような後悔に今苛まれている人たちへ、作者が何らかの救いを届けたくて生み出した物語のように思えた2026/01/31
-
- 電子書籍
- あめあがりのかさおばけ




