出版社内容情報
【イラスト図解で読みやすい】
【認知症でもなんとかなる!】
あなたはいま、「認知症といわれたらどうしよう」「認知症といわれたが、どうすればいいのか」と、不安や戸惑いでいっぱいかもしれません。
認知症をもたらす疾患の最大の危険因子(リスクファクター)は、年をとることです。高齢者が多い日本では、あなたと同じような不安や戸惑いをかかえている人が増えています。
ただ、認知症を心配する人や認知症と診断される人の数は増えているものの、重症化する人の割合はむしろ減っています。いまは医療も進んでいますし、介護に携わる人の意識も大きく変わってきています。認知症は進行する病気ではありますが、昔にくらべ、その進み方はゆるやかになっているといえます。
いまのあなたは、以前と同じようにはできず、失敗することが増えているかもしれません。しかし、できることもたくさんあるはずです。うまく言葉にしにくいかもしれませんが、いろいろなことを考えたり、感じたりもしているでしょう。なにもできない、なにも語らない認知症の人がいるとすれば、それは認知症そのものの症状というより、自信を失い、あきらめ続けた結果であることも多いのです。
失敗の増加と自信の喪失は、必ずセットになっているわけではありません。失敗しても、そばにいる人が目くじらを立てず、さりげなくサポートしてくれる環境のなかでなら、認知症があろうとなかろうと、自尊心を保ちながら幸せに暮らせます。「今度はこうしてみよう」などという、前向きな気持ちも生まれやすくなるでしょう。
本書は、家族の方だけでなく、認知症のある人自身にも役立つ情報をたくさん紹介しています。もの忘れの多さなど、症状への対処法を知りたいという方は、第3章、第4章など、途中から読み始めてもらってもかまいません。
あなたの「これから」にこの本がお役に立てば、とてもうれしく思います。(まえがきより)
【本書の内容構成】
第1章 認知症かもしれない
第2章 これからどうなる?
第3章 自分らしく暮らし続けるために
第4章 困りごとを減らすヒント
第5章 家族が認知症とわかったら
内容説明
自分らしく暮らし続けるために。認知症になったからといって、心身の状態が急に悪化していくというものではありません。急に生活のすべてが変わるわけでもありません。不安を高めるような絶望的なイメージは手放し、いまの自分、いまの家族に向き合っていきましょう。
目次
1 認知症かもしれない(自分で感じる だれよりも先に、自分の変化に気づくもの;人に指摘される 自覚があるからこそ、否定したくなります ほか)
2 これからどうなる?(診断後の経過1 進み方はゆっくりな人が増えています;診断後の経過2 「実際にどうなるか」は個人差があるものです ほか)
3 自分らしく暮らし続けるために(これからの暮らし 「これまでの暮らし」を続けられるように考えます;暮らしのなかで1 できない、わからないは症状。割り切りも必要です ほか)
4 困りごとを減らすヒント(探しものばかり 自分に合った「探さずにすむ方法」をみつけましょう;忘れやすさへの対策1 覚えなくてもよいように、「見ること」を習慣に ほか)
5 家族が認知症とわかったら(診断後の変化 急に変わるのは症状より家族の見方です;症状に対応する1 家族が症状を許容できると本人の安心感は増します ほか)
著者等紹介
繁田雅弘[シゲタマサヒロ]
東京慈恵会医科大学精神医学講座教授。1983年東京慈恵会医科大学を卒業後、精神医学講座に所属。東京都立保健科学大学教授、首都大学東京健康福祉学部学部長を経て、2011年首都大学東京(現・東京都立大学)副学長に就任。2017年より現職。日本認知症ケア学会理事長。神奈川県平塚市にある実家を拠点に、地域住民と一緒に認知症の啓発活動などをおこなう「SHIGETAハウスプロジェクト」を主催(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。