内容説明
『ドラクエ』も『FF』も始まっていなかった頃に、こんなにすごい物語があった!現世の鏡―異世界バイストン・ウェルの国盗り物語は、おもわぬ結末へ。
著者等紹介
富野由悠季[トミノヨシユキ]
1941年神奈川県出身。日本を代表するアニメ監督の1人であり、「機動戦士ガンダム」シリーズの総監督にして原作者として知られる。多くのヒットアニメを手がける一方、作家としても活動を続け、オリジナル作品、ノベライズ、エッセイ、対談集をふくめ60冊以上の著作がある。2009年、ロカルノ国際映画祭で名誉豹賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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tt23836148
6
これは最早啓蒙書ではなかろうか―太平洋戦争へと向かていった昭和日本の心理―世界情勢、文化、バイストン・ウェルへ転移した迫水を視点として描かれる富野由悠季の歴史の観方そのものが、迫水の視点を通して描かれる。これは現代人に向けた啓蒙書だ。2025/06/10
sibafu
5
長い戦いだった。聖戦士・迫水真次郎の戦はひとまず終わった。剣の争いに銃器が混ざり始める点でも戦国時代みたい。一方、『指輪物語』や『ホビットの冒険』のような中世のファンタジーらしくあり、個人的には『ファイナルファンタジータクティクス』や『タクティクスオウガ』を思い出す。妖精のようなフェラリオのノストゥ・ファウが可愛らしく、読んでいると『エルガイム』のリリス・ファウの姿が頭に浮かんでくる。三巻からようやく読みたかったOVAでの現代のストーリー。ここまであまりに長かった。2015/12/05
北白川にゃんこ
4
異世界で日本軍人が日本軍を思いながら覇道に向かう。凄い発想だよなあ。ギリギリ戦争を知る富野監督だからこそ、か。まあ、考えているのは交尾のことばっかなんだけど。それもまた富野。これで平成のリーンの翼に続いていくのか。2020/09/06
tomdam
2
大規模な戦争活劇でありながら、日本帝国主義の問題を洗い出し、中心にあるのは男と女の性愛論。これぞ富野エンターテイメント。オーラバトラーは出ないものの、壮絶な描写に引き込まれた。人物がつぎつぎに死んでいく後味の悪さ。いよいよ次から完全新作。こころして挑むぞ2010/04/16
内間悠介
1
コミック版(アニメ版に準拠)を読んだ後に、これを読むと迫水の心理がようやく繋がった。衝撃過ぎるラストに、戦後の日本についても、そういう視点で…と。3巻を読むのが怖い気もする。2013/01/13