出版社内容情報
「すごい小説を読んでしまった。
私はこの先も、何度も自分の血を辿るように
この作品を読み返すと思う」
――紗倉まな
「人は恋すると、罪を犯す。
運命でも必然でもなく、独りよがりの果てに。
その罪を明かさないのが、何よりの罰」
ーー中江有里
「私の顔、見覚えありませんか」
突然現れたのは、初めて恋仲になった女性の娘だった。
芥川賞を受賞し上京したものの、変わらず華やかさのない生活を送る四十男である「田中」。
編集者と待ち合わせていた新宿で、女子大生とおぼしき若い女性から声を掛けられる。
「教えてください。どうして母と別れたんですか」
下関の高校で、自分ほど読書をする人間はいないと思っていた。
その自意識をあっさり打ち破った才女・真木山緑に、田中は恋をした。
ドストエフスキー、川端康成、三島由紀夫……。
本の話を重ねながら進んでいく関係に夢中になった田中だったが……。
芥川賞受賞後ますます飛躍する田中慎弥が、過去と現在、下関と東京を往還しながら描く、初の恋愛小説。
内容説明
芥川賞を受賞し上京したものの、変わらず華やかさのない生活を送る田中。ある日、デパートで若い女性から声を掛けられた。「教えてください。どうして母と別れたんですか」。そうして、高校時代の三角関係を痛みを伴って思い出す日々がはじまる。三十年前の下関と今の東京を往還して描く、著者初の恋愛小説。
著者等紹介
田中慎弥[タナカシンヤ]
1972年山口県生まれ。山口県立下関中央工業高校卒業。’05年「冷たい水の羊」で第37回新潮新人賞受賞。’08年、「蛹」で第34回川端康成文学賞受賞。同年、「蛹」を収録した作品集『切れた鎖』で第21回三島由紀夫賞受賞。’12年、「共喰い」で第146回(平成23年度下半期)芥川龍之介賞受賞。同作は’13年9月、映画化された。’19年、『ひよこ太陽』で第47回泉鏡花文学賞受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
クプクプ
優希
ω
桜もち 太郎
沙智
-
- 電子書籍
- レベル9の閲覧要員29 ROCKETO…