出版社内容情報
わたしたちの町が、原爆投下の練習台に!?
身近にあっても見すごしていた戦争の大きな傷あとを夏休みの自由研究で調べてみると……。
1945年、終戦の年。
原爆投下の練習のため、模擬原爆・通称パンプキン爆弾が日本各地に49発も落とされていた事実を知っていますか?
本当にあったことを、小説で読む・知る
令丈 ヒロ子[レイジョウ ヒロコ]
著・文・その他
宮尾 和孝[ミヤオ カズタカ]
著・文・その他
内容説明
1945年、終戦の年。原爆投下の練習のため、模擬原爆・通称パンプキン爆弾が日本各地に49発も落とされていた事実を知っていますか?本当にあったことを、小説で読む・知る。
著者等紹介
令丈ヒロ子[レイジョウヒロコ]
講談社児童文学新人賞応募作で、独特のユーモア感覚が注目され、作家デビュー(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
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s-kozy
92
良書、児童書です。娘(中3)のお勧めを受け手に取る。「パンプキン爆弾」=「長崎に投下された原子爆弾とほぼ同じ形状の爆弾。核物質をつんでいないため、核爆発は起こさない。爆弾の軌道や特性を調べたり、パイロットの原爆投下の練習として、日本全国に落とされた「模擬原爆」で丸い形状とオレンジ色だったことから、「パンプキン爆弾」と呼ばれた」。この爆弾のことを知った小5女子が夏休みの自由研究に取り上げるお話。原爆投下までの経緯や先の戦争の背景を知った彼女は単純に正義では裁けない戦争の矛盾にも気づき、混乱する。(続く)2015/04/13
おかだ
53
我が子の為に図書館で借りたのだけど「興味湧かない」とスルーされ返却期限が来たので供養の為に私が読んだ。これ凄くいいよ。興味湧かない事を、興味が湧くように書いてくれてる。今の小学生は本当に戦争の事に触れる機会が少ないけれど、世界情勢が以前にも増してグラグラしてきた今まさに知っておいたほうが良い情報がいっぱい。しかも、日本を戦争の一方的な被害者として伝えてない所が良い。物事を単純化して押し付けるのではなく、色んな経緯があって戦争は複雑だと、自身で考える余白を作ってくれているのが良い。我が子よ、読んでくれよー。2020/09/23
Comit
52
市立図書~戦争と核兵器について自身の考え方を問う児童書。アメリカが原子爆弾を実戦投入する実験として、日本各地に落とされた模擬爆弾“パンプキン”戦争の記録が、慰霊碑と遺族の心に刻まれる。なぜ原子爆弾は投下されたのか。なぜ戦争は起きたのか。日本は世界に対して、何をしてきたのか。夏休みの自由研究「あなたはどう思う?」というかたちで、みんなに問いかける。子どもが借りた本。こちらも考えさせられた。2021/11/14
chiaki
47
模擬原爆なんて…。長崎・広島に原子爆弾を落とす前の練習として使用された爆弾で、その色や形がかぼちゃに似ていることから『パンプキン爆弾』と呼ばれていたとのこと。使用されたその数は49発、日本の至るところに投下された。主人公ヒロカはいとこのたくみの力を借りながら夏の自由研究に、このパンプキン爆弾を選ぶ。複雑に絡み合う当時の状況を知れば知るほど頭を抱えて悩むヒロカに、私も共感…。まずは知ることが長崎ちゃんぽんのような世界に繋がるんじゃないかな。子どもはもちろん、大人も読んで欲しい平和学習の良書です。2019/07/22
kawa
43
小学生向け、偶然、模擬爆弾のことを知った小学生5年生のたくみは、その爆弾を自由研究のテーマにした。大阪・東住吉区に「模擬原爆の碑」があるのだそうだ。模擬原爆とは、広島・長崎へ原子爆弾を落とすために、言わば練習用に原爆と同じ形で作られた通常爆弾のことを言い、それは全国49カ所に落とされ400人以上の方が亡くなったという。全く知らなかった事実にびっくり。戦争や原子爆弾を考える端緒となる良書。大人にも読んで欲しい。(NHKラジオ「深夜便」に作者の令丈さんが出演していて偶然知って手に取った一冊)2020/08/23




