出版社内容情報
警察官が手を染めた犯罪のからくりは、想定外の結末にいたる。私立探偵が夢みた成功報酬の三千万円は、いったい誰の手にわたるのか? 妻は会社を経営する夫の素行調査を探偵社に依頼した。夫は探偵にしっぽをつかまれるが、逆に妻に「男」を作ってくれれば三千万円を出すという。成功直前のある夜、探偵の眼の前でフラッシュが光って……。トリックの妙を示した秀作ぞろいの作品集。
内容説明
妻は会社を経営する夫の素行調査を探偵社に依頼した。不貞の証拠を探偵に握られた夫は、反対に妻の愛人を仕立ててくれれば、三千万円を渡すと持ちかける。破格の成功報酬を得るため、探偵が仕掛けた策とは(表題作)。事件記者の焦燥を描いた「美談崩れ」ほか、切れ味鋭い醍醐味を味わえる選りすぐりの短編集。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
森オサム
31
1960年代半ばから80年代半ばに発表された作品が収録された短編集。皮肉な捻りが効いたオチになっており、ブラックユーモアを感じる作品が多かった。もちろん今読めば時代の違いは有るものの、面白い事は間違い無い。若い方にはおススメしませんが、初老の私以上の世代の皆さんにはおススメです。十津川警部は出ませんが、西村京太郎ファン以外の方にも読んで欲しい佳作。2023/02/25
いづむ
13
9編収録された短編集。殺人の動機は様々ながら、どの短編も誰もが越えてしまうかもしれない一線の危うさを描いていて、読みながら色々な気持ちでうなってしまう。「美談崩れ」のジャーナリストのあさましさ、「私は職業婦人」の女の気持ち、令和の今もとてもリアルに感じられる。2023/02/07
なかむう
2
短編集。どの話も面白いけど、「私は職業婦人」が好き。2022/05/06
大福
2
62冊目、読了。 ブラックユーモアの短編集。 ニヤニヤしながら読みました。 悪いことはできないね。2022/03/26