出版社内容情報
比類無きおたく文化批評の原点『物語消費論』の視座が令和の今、蘇る。新たな物語論の行き着く先はこの一冊の中にある!
内容説明
ゼロ年代以降のデジタル世界では巨大プラットフォームが形成され、万人が参画する快適なシステムが構築された。本書はその構造を「物語消費」の枠組みから消費社会論としてだけではなく、二次創作から出発したフリーレイバー(無償労働)問題を中心に労働社会論としても丹念に読み解いていく。私たちの生は巨大プラットフォームに管理・統治され、疎外と搾取の運命を持つ。名著『物語消費論』を新たにアップデートする革新的な一冊!
目次
ノート1 物語陰謀論
ノート2 物語生成論
ノート3 物語労働論
ノート4 物語隷属論
資料1 麻原彰晃はいかに歴史を語ったか―「土谷ノート」を読む
資料2 「ビックリマン」と天皇制
著者等紹介
大塚英志[オオツカエイジ]
まんが原作者・批評家。1958年東京都生まれ。筑波大学卒。国際日本文化研究センター教授。80年代には徳間書店、白夜書房、角川書店で編集者として活動(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ころこ
36
4章立てになっていますがそれ以上の小見出しが無く、ハイコンテクストで非常に読み難くなっています。『物語消費論』の著者自身による再解釈です。物語消費論は消費としてではなく、労働と捉えるべきだ。二次創作者は物語を生成しているのではなく、無償労働をさせられていると指摘しています。単なるキャンセルカルチャーの時流に乗っていているだけであり、そういうことを気にするようになった著者が変わったという様にみえます。その見方を批判する立ち位置に既に政治的な分割線が引かれてしまう、モヤモヤした、射程が狭まった印象を残します。2021/08/27
耳クソ
13
はじめてのことだが、読みきらずにここに登録する。あまりに酷すぎる。いつか総括する。2022/10/03
nnnともろー
4
気づかせない疎外。物語ることによる労働。プラットフォーム内での快楽。はまり込んでいる現代人。権利意識の変容・衰退。確かに現状は危険だが、ではどうすれば?難しい。最低限思考停止しないことか?2023/06/30
東晃
3
それを疎外や隷属と捉えるかどうかは兎も角として、自分が好きそうなものしか流れてこないサブスクにあまり身を置きたくない人間としてはしっくりくるんやけど、そこから外に出ようと思うと間違いなく金か時間が必要になるのよな 星三つ2021/09/10
アザッス
1
面白くない。大塚英志の批評は基本的に80年代の今よりずっとリベラルだった社会の空気感を前提にしておりそこからあまりアップデートが図られていないので、今読むと突拍子の無いものに見えるというのが少なからずあるが、まさにそういう陰謀めいた部分が目立つ本で、現状分析が突飛すぎると感じる。また、現状分析に終始するのみで何ら展望が示されないため「で?」となってしまった。
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