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内容説明
致死性の感染症の流行により、“拡張現実”が“現実”に浸透した2045年。山口県宇部岬高校の入学式は、ハッキング―“拡張テロ”に襲われる。時田砂漠は“天才認定”のクラスメイト・鳴神叡智花と出逢い学園生活の陰で暗躍する犯人“善なる悪”の正体を追うが、叡智花は砂漠には絶対に打ち明けられない秘密を抱えていた―。アフター感染症の“拡張現実”×ちょっと過激な“日常の謎”。ハードSFの旗手が放つ、とびきりの青春ラブストーリー。
著者等紹介
高島雄哉[タカシマユウヤ]
2014年、第5回創元SF短編賞を受賞。SF考証家としても活躍(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
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乱読太郎の積んでる本棚
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ほたる
11
致死性感染症が世に蔓延るなか、仮想現実と拡張現実が高度に発達した世界。主人公の時田砂漠は自分自身に興味が持てず漫然と過ごしていたなか、高校入学を機に天才認定された鳴神叡智花と出会う。ボーイ・ミーツ・ガールから始まるハードSF作品。ご時世を反映したような設定であり、バーチャル世界が当たり前になってはいるが、それでも青春は変わらず存在することができると思った。リアルの世界で交流が減ったとしても、それぞれの繋がりはなかなか消えないものであると感じた。2021/10/24
本の蟲
10
個人的にまだ評価が定まっていない作者だけど、今回は実に良かった。致死性の感染症が蔓延している近未来という、タイムリーな舞台での青春ボーイミーツガール。その日常描写が素晴らしい。天気予報同様、毎朝7段階で発表される感染リスク。VRやARがR〈リアル〉同様に世界に浸透し、リスクによる制限を受けつつ、登校や学校行事の参加も希望者が自由に遠隔かRを選ぶことができる。他にも部活動、仕事、AI、法律等、一変した社会の在り方と未来、そしてそれが当たり前になった若者たちの心象がとことん練られている。(続2021/05/07
椎名
8
感染症の流行によって拡張現実が浸透した2045年。その舞台設定だけでも今この時代に読む意味があったと思わされる。SF作品であり、同時に良い青春小説だった。珈琲先生の表紙がまた良い。2021/05/06
臓物ちゃん
5
致死性ウイルスのパンデミックをAIで天気予報のように予測出来るようになった近未来。VRとARに溢れる山口県の地方都市で高校生たちが超技術的怪事件に巻き込まれる、アフターコロナSF日常ミステリといった一冊。山口が舞台ってことでユニクロに高杉晋作に庵野秀明が登場、ラストにゃラインハルト陛下まで出てくるんだからネタが盛りだくさんだ。主人公の名前が時田砂漠で「自分は«砂漠»だなァ〜」とずっと言ってるのがフフッてなる。ハルヒ好きにオススメ。2021/06/07
花嵐
2
★★★☆☆ 初読み作家さん。青春学園SF(恋愛要素とミステリ要素もだいぶ含まれている)ものという、設定だけ見ればだいぶ過剰だが物語の筋としてはかなりの王道をいっている。SFが主体ではあるものの、そこまで用語や設定が難しいわけではないので思ったよりすんなりと物語に入り込めたな。砂漠のキャラが最初は「スカしてるなぁ」って感じだったけど、最後まで読んでみれば「叡智花ちゃんと幸せになってくれ…!」となること間違いなし。2025/06/09