内容説明
ピントが外れている文章こそ正解。問題を読まないでも答はわかる!?国語が苦手な受験生に家庭教師が伝授する解答術は意表を突く秘技。国語教育と受験技術に対する鋭い諷刺を優しい心で包み、知的な爆笑を引き起こすアイデアにあふれたとてつもない表題作が吉川英治文学新人賞受賞!待望の新装版として。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
mae.dat
197
小説の型から問い直すスタイル。お久しぶりの清水さんでしたが、他作品に触れた経験がありますので、戸惑いはありませんよ。言葉で遊んでみたり、読者や社会を茶化したりしているんですよね。表題作を含む短編7作。どれも独特の仕掛けが施されています。中では『ブガロンチョのルノワール風マルケロ酒煮』ですかね。謎料理の調理工程を説明してくれるのですが、料理名や食材などの蘊蓄が凄いの。芸が細かい( ¨̮ )。その蘊蓄も食材も工程も全て出鱈目なの。これを読んでも、毒にも薬にもならない、何も残らないよね( ໊๑˃̶͈⌔˂̶͈)。2022/06/24
papako
57
実は作者初読みなのか?私の中ではSF作家である作者の短編集。どこかのレビューか何かで気になって。楽しめた!文庫初版は90年で40版を重ねてるってすごいですよね。表題作が一番笑えました。国語ってそういうところあるよね。最後の問題の答えしりたいな。『時代食堂』どうやって料理作ってるのか気になる。『ブガロンチョ』楽しい!思わず本当に無いのか検索しちゃいました。野球は選手はわかるけど解説者がわからなくて残念。パスティーシュ小説らしいけどわからないな。でも皮肉がきいててすごく楽しかった。2022/04/09
Apple
33
随筆的な内容の「猿蟹合戦とは何か」と、表題作「国語入試問題必勝法」がとくに面白かったと思いました。猿蟹合戦が男性をこらしめる女性を象徴している物語とする考察は、なかなか奇抜な解釈であり、必見であります。「国語入試問題必勝法」で言われている問題の解き方は、部分的に実用性がありそうな気がしないでもないですが、「達人は問題文を読まずして解く」みたいなことが書いてあってやはり無茶苦茶だなと思いました。あとがきにしっかり間違えて買った受験生に対して謝罪のコメントが書かれているのも面白かったです。2023/06/15
ココロココ
21
お気に入りさんが紹介していたのと、店頭で見て面白そうだったので購入。清水義範さんは、初読み。そこそこ面白かったが、自分が期待していたほどではなかった。それでも長嶋茂雄さんの章が面白かった。また機会があれば、他作品も読んでみるかも。とにかく、受験生が間違って買わないことを祈る。2021/02/14
kubottar
19
注意点としてはまるまる一冊が国語の入試問題対策の参考書ではなくて、7つあるエッセイ集の1つであるだけ。国語の入試問題に対する皮肉が効いていてとても面白かった。確かに、まともに問題を解こうとしたら頭痛くなりますもんね。2022/01/25