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内容説明
「獣腫」の猫耳を持つエミリアは、学術都市ラグノマで学院に通う18歳の貴族令嬢。決められたレールを歩む人生に悩んだ彼女は、一念発起し「自分探しの旅」へ繰り出すことに!壮年の執事・ロイドを連れて、未知への一歩を踏み出した。いざ、世界を見つめ、自分を見つける卒業旅行へ!
著者等紹介
周藤蓮[スドウレン]
1995年生まれ。電撃小説大賞“金賞”を受賞し、『賭博師は祈らない』(電撃文庫)で在学中にデビュー(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
のれん
13
自分探しの旅とか、大人の条件といったフワフワしたものにムリヤリ答えを求めるのは嫌いなのだが、この作品は執事の存在がなんとも良い塩梅で効いてくる。 目的地を定め、過去を誇らず、理不尽を受け入れる。良い大人とは少し疲れて日々をこなしてる人であり、決して子どもが憧れる理想ではない。 理屈では分からないその理不尽を旅は伝える。しかし、若者しか持たない情熱は時に理不尽を覆す瞬間を生み出す。それはきっと良い大人には出来ないことだ。 大人と子どもの旅物語。二人の信頼関係が分かる30年越しの婚約シーンはお気に入り♪2020/10/21
ツバサ
10
髭は執事、猫耳はお嬢様。2人で旅をしていき、その場で出会う人や環境と接していくことで学んでいく。人の善と悪は育った環境次第で育まれていくんだなと。獣腫というファンタジー要素が人の根っこの部分を掘り下げていくようで良かったです。続いていくと嬉しいです。2020/10/18
羊山羊
9
おてんば令嬢エミリアと執事ロイドの織り成すロードノベル。記憶に沁みつく面白さではないが、著者特有の世界のハードさ、2人の絆で難関を乗り越える姿の尊さがもりもり入った1冊。一番好きな話は主人公一行がとある村で少女の失踪事件に巻き込まれる第4話。エミリアとロイドのそれぞれの得意分野、想い。不穏なラストなど、全てがかちりとはまったパズルのような高い完成度の章。おススメ。2021/05/18
めぐ
6
剣と魔法のファンタジーワールドを猫耳のお嬢様と武闘派な執事が旅する小説。マナが満ちていたり、精霊が居たり飛龍が飛んでたり、獣人が居たり、聖剣伝説っぽい世界観で、最初の町で暴れている巨大魚を追い払ったり、アンデッドのいるダンジョンを攻略したり、次の町で植物に異変が起きているのを突き止めて女の子を救ったりとRPGのシナリオを読んでいるよう。なかなかゲームする暇はないので楽しかった。自分と身体的特徴の違う相手も尊重しようというシンプルなテーマがあるようだったが、RPGの雰囲気を楽しむ作品という感じ2022/08/07
椎名
6
執事とお嬢様の自分探しの旅。今日楽しければ、今日一歩を踏み出せれば、明後日のことはわからなくても、明日はきっと、という希望や願いにも似た、それでもひとつひとつを積み重ねていく感覚が心地よかった。どちらも子供と大人の部分を併せ持っており、性格の本質の部分は年齢など関係なくあるのがわかるのがいい。相変わらずキャラ作りと関係性が絶妙。よくある連作短編ではあるが、きちんと単話で纏まっていて飽きさせない。2020/10/23