内容説明
新たな安保法が施行された戦後71年の日本。左派の衰退が明らかになり、自己責任を唱える声が高まるにつれ「失われた対抗軸」を模索する動きが出てきた。20世紀を代表する3人のリベラリストの思想から、憲法を読み解き、新時代の言論空間を構想する。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
呼戯人
11
巻頭、リベラリズムの哲学のおさらいをしている。わたしにとっては、懐かしい哲学者ばかりだが、この3人がリベラリズムの価値を共有しているとは考えていなかったので新鮮だった。それはイギリスの政治哲学者アイザイア・バーリンとオーストリアの哲学者カール・ポッパー、そしてアメリカ・リベラリズムの最高の果実、ジョン・ロールズである。人間は過ちを犯す生物であり、その可謬主義の上にのっとって、自由な批判と平等な自由が政治には不可欠であるとする考え方に限りなく共感を覚えた。可謬であるからこそ自由は永久不可侵の権利なのである。2016/07/03
ぱる
0
単なる憲法論ではなくリベラリズム論というに相応しい。憲法に流れる自由の精神をリベラリズムの系譜を辿っていき、日本国憲法の思想的価値を探っていく。また、リベラリズムの課題も浮き彫りにしている。2016/10/05