出版社内容情報
北森 鴻[キタモリ コウ]
著・文・その他
内容説明
若き日の面影を探して街をさまよううち、カメラマンの有坂祐二はビアバー“香菜里屋”に辿り着く。十六年前に別れた恋人の名を耳にした男は、料理上手で聞き上手のマスター工藤に心をほぐされ、胸の奥底にしまっていた過去を語り始める。そこには思いもよらぬ謎が―(表題作)。連作短編ミステリーの傑作!
著者等紹介
北森鴻[キタモリコウ]
1961年山口県生まれ。駒澤大学文学部歴史学科卒業。’95年『狂乱廿四孝』で第6回鮎川哲也賞を受賞しデビュー。’99年『花の下にて春死なむ』で第52回日本推理作家協会賞短編および連作短編集部門を受賞した。2010年1月逝去(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
KAZOO
98
今回も5つの短編です。相も変わらず料理がおいしそうでこの主人公のたどってきた道が徐々に明かされていくことになりそうです。次回で終わってしまうのですが昔から次の話を書いてもらいたいと思っていたのですが……。今回は表題作と孤拳という話が印象に残りました。昔読んだときとだんだん印象が変わるものですね。年をとった証拠なのでしょう。2021/09/13
佐島楓
60
シリーズを通して読んできたなかでは一番バラエティに富んでいてとても面白かった。ただ女心がわかってらっしゃらないなと思うところはあったが。最終巻で明かされそうな工藤自身の秘密を楽しみに待っています。2021/05/03
三代目けんこと
44
本書は、北森鴻の作品の中でも、とりわけ多くの読者に愛され続けているという。切ない話が多かったが、確かにその通りだと思った。次が、香菜里屋シリーズの締めとなる。これで終わりとなると寂しいので少し寝かせようか、でもラストが気になるので、、、。2022/08/12
のんちゃん
35
ビアバー香菜里屋シリーズ第3弾。今作も美味しい料理の描写と、客達が持ってくる謎をマスター工藤がしっとりとそして鮮やかに解き明かしていく様が素敵な一冊。解説は書評家藤田香織さん(私は藤田さんの書評で、いつもどの作品も二度味わっている気がする)。藤田さんの解説にもあるようにこのシリーズは料理の蘊蓄の他にも小説や絵画、演劇や名所等いろんな知識を得られるのも楽しみである。作者の別作品シリーズでも本作シリーズがリンクしているとの事、本作シリーズが次の巻で終了なので、別シリーズも読み始めたいとニンマリしている。2022/10/03
えみちゃん
27
香菜里屋シリーズ第3弾。どのお話もよかったけど表題の「蛍坂」が特によかった。若き日の面影を探して街をさまよううちに路地裏で偶然に見つけたビアバーの扉を開く。そしてそこで16年前に別れた恋人の消息を聞く。亡き恋人が告げたあるハズのない地名に秘められた想いが哀しく切ない。他にも「猫に恩返し」「孤挙」も好きだなぁ・・。このシリーズに共通するのは、その扉を潜り抜けて来た時にはそれぞれ鬱屈した想い、ささくれだった気持ちを抱えていても「香菜里屋」のスツールに腰掛け工藤の作る心ばかりのつまみ、度数の違うビール、そして2021/04/25
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