出版社内容情報
1963年、博打をしのぎにしている白壁一家の人見稀郎は、翌年の東京オリンピック公式記録映画監督を降板した黒澤明の後任に中堅監督の錦田をねじ込んで、興行界に打って出るべく動き出す。オリンピック組織委員会には政治家、財界関係者が名を連ねており、あらゆる業種が莫大な利権に群がっていた。日本が劇的に変貌を遂げた昭和の東京五輪をモチーフに、現代エンターテインメント小説の旗手が放つ、長編社会派クライムノベル。
1963年3月21日、翌年の東京オリンピック開催を前に、公式記録映画の監督を務めることになっていた黒澤明が降板した。博打をしのぎにしている白壁一家の人見稀郎は、親分からの指示を受け、中堅監督の錦田を後任にねじ込んで、興行界に打って出るべく動き出す。オリンピック組織委員会には政治家、財界関係者が名を連ねており、その下には土建業者や右翼、ヤクザ、さらには警察までもが蠢いており、あらゆる業種が莫大な利権に群がっている。稀郎は記録映画の監督選定に権限を持つ委員たちの周辺を洗い、金や女を使って言うことを聞かせようとする。東京が、日本が劇的に変貌を遂げた昭和の東京オリンピックをモチーフに、現代エンターテインメント小説の旗手が放つ、長編社会派クライムノベル。
内容説明
一九六四年の東京オリンピック記録映画監督を黒澤明が降板した。若いヤクザの人見稀郎は後任監督に中堅の錦田をねじ込むことで、興行界をのし上がろうとする。五輪組織委員会には、政財界の強者が名を連ね、莫大な利権に群がっていた。稀郎の企みの行方は?華やかな舞台裏で蠢く悪を描いたクライムノベル。
著者等紹介
月村了衛[ツキムラリョウエ]
1963年大阪府生まれ。早稲田大学第一文学部文芸学科卒業。2010年『機龍警察』で小説家デビュー。’12年に『機龍警察 自爆条項』で日本SF大賞、’13年に『機龍警察 暗黒市場』で吉川英治文学新人賞、’15年に『コルトM1851残月』で大藪春彦賞、『土漠の花』で日本推理作家協会賞、’19年『欺す衆生』で山田風太郎賞を受賞した(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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