出版社内容情報
逃げるか、死ぬか、答えるか。十秒以内に決定せよ――長い旅路の末、伝説の図書館へとたどり着いた旅人に、守人は謎をかける。鍵となるのは十の物語。扉を開き、森羅万象に通じ、神に等しい力を手に入れることは出来るのか。本格ファンタジーの新旗手による意欲作!
装画・六七質/挿画・田中寛崇
プロローグ・エピローグを新たに書き下ろした完全版
内容説明
逃げるか死ぬか答えるか。全知全能に至る扉を封じ守人は謎をかける。プロローグ・エピローグを新たに書き下ろした完全版。装画・六七質/挿画・田中寛崇。本格ファンタジーの新旗手による意欲作。
著者等紹介
多崎礼[タサキレイ]
2月20日生まれ。2006年、『煌夜祭』で第2回C★NOVELS大賞を受賞しデビュー(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
starbro
164
多崎 礼は、新作中心に読んでいる作家です。 長編ファンタジーかと思いきや、バラエティに富んだ連作短編集でした。著者は、長編の方が好い気がします。 https://www.chuko.co.jp/special/raytasaki/eichinotoshokan/2024/08/07
たいぱぱ
66
人間が辿り着くのは叡智か自滅か…。古今東西の知識と思想、あらゆる命の記録と歴史が全て記録されている叡智の図書館。図書館の守人と旅人の問答に纏わる十の短編はどれも面白い。ファンタジーの様な作品もあれば現代SFみたいな話もあるし、どこか恒川光太郎さんを思い起こさせる日本の怪しい民話のような話まで多崎さんの才能を堪能させてもらった。最後のオチもニヤリとさせられて、多様な物語たちを上手く図書館に収納させた気分になる。たった2作で多崎礼さんが大好きな作家さんになった。他の作品も楽しみで仕方ない!2024/11/10
misa*
40
「逃げるか、死ぬか、答えるか」守人は十の謎をかけ扉を封じ、旅人と旅人が持つ石版がその謎を解いていく。10の短編だけど最後にすべてが繋がっていく。多崎さんの「<本の姫>シリーズ」作品に近い印象かな。多崎さんらしい世界観でありながらも、10の短編それぞれが独特で、あとがきにその短編ごとのタイトルも書かれていた。エピローグは少し遊び心も感じられて素敵な作品だった。2024/07/14
よっち
37
逃げるか、死ぬか、答えるか。十秒以内に決定せよ。長い旅路の末に、全てが記録されているという伝説の図書館へとたどり着いた旅人ローグに守人が謎を問いかける物語。塔に到着した旅人が、逃げることも、回答しないことも、間違えることも許されない状況で、扉を開いて森羅万象に通じ、神に等しい力を手に入れるために守人の乙女から投げかけられる10の質問。様々な案内をしてくれる相棒の石版も上手く駆使しながら、人々の強さや弱さ、人の本質といった部分に迫る回答が、旅人の正体や結末へと繋がってゆく結末がなかなか印象的な物語でしたね。2024/07/16
ひめありす@灯れ松明の火
29
すごい面白かった!今年のベスト本にしても良いくらい。一個一個の短編も勿論面白いのだけれど、それが有機的な理由を伴って短編集として編まれているその全体図を考えながら読むとなおのこと面白いです。あとがきが長めで、作者の意図が書いてあるのも一昔前のライトノベルみたいで良かったです。どれが好みだった?とか読んだ人と感想をお喋りしてみたいです。2024/09/11
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