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出版社内容情報
科学が捉えた「時間の本質」――時間は過去から未来へ流れて《いない》!?
時間の正体は、宇宙の起源につながっている。
時間とは何か? 時は本当に過去から未来へ流れているのか? 「時間が経つ」とはどういう現象なのか?
先人たちが思弁を巡らせてきた疑問の扉を、いま、物理学はついに開きつつある。
相対性理論、宇宙論、熱力学、量子論、さらには神経科学を見渡し、科学の視座から時間の正体に迫る。
内容説明
時間とは何か?時は本当に過去から未来へ流れているのか?「時間が経つ」とはどういう現象なのか?先人たちが思弁を巡らせてきた疑問の扉を、いま、物理学はついに開きつつある。相対性理論、宇宙論、熱力学、量子論、さらには神経科学を見渡し、科学の視座から時間の正体に迫る。
目次
はじめに―時の流れとは
第1部 現在のない世界(時間はどこにあるのか;過去・現在・未来の区分は確実か;ウラシマ効果とは何か)
第2部 時間の謎を解明する(時間はなぜ向きを持つか;「未来」は決定されているのか;タイムパラドクスは起きるか;時間はなぜ流れる(ように感じられる)のか)
著者等紹介
吉田伸夫[ヨシダノブオ]
1956年、三重県生まれ。東京大学理学部卒業、同大学大学院博士課程修了。理学博士。専攻は素粒子論(量子色力学)。科学哲学や科学史をはじめ幅広い分野で研究を行っている。ホームページ「科学と技術の諸相」を運営(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
KAZOO
129
時間については以前から興味を持っていたのですが、ここではかなり今までの疑問を少なからず解消してくれる気がしました。ただやはり難しいところが多く完全に理解できたとは言えません。1章の「時間はどこにあるのか」、6章「タイムパラドクスは起きるか」、7章「時間はなぜ流れるのか」はほぼ理解できたと感じました。理系で物理の基礎ができていないと難しいですね。2024/02/14
ひろき@巨人の肩
110
「ニュートン流の時間観」の脱却を目的に掲げる本書。相対性原理と量子論で「時間」を捉え直す構成に導かれ、朧げながら「時間観」が変わった。我々に流れる「時間」は、突き詰めると「原子」の振幅運動。それは「場の影響」により変化するため「時間」は絶対的ではない。時空は「ミンコフスキー幾何学」で記述され、時間と空間の拡がりは「光速」に対して同等性がある。ただ意識を形成する「脳の活動」が光に対して遅いため、時間の拡がりを検知できない。一方で「時間の流れ」はビッグバンを端緒とする不可逆的なエントロピーの増大。2022/04/28
へくとぱすかる
99
「リアル」に関する論が充分に理解できなかった。未来だった時刻が現在になったときに「現在はリアルだ」と主張することは、未来・過去がリアルでないという主張を覆す根拠にはならないのでは。「今」はまさにどの時刻であっても、リアルに「今」であり、そこから時間の流れが感じられるのはなぜなのか、という点こそ、知りたかった謎だった。時間をめぐる科学と哲学との接続は、まだなかなか難しそうだ。第5章以後、タイムトラベルの議論から、非常におもしろくなり、脳と意識の問題が論じられ、興味深かった。特に野球の喩えはわかりやすく納得。2020/01/28
33 kouch
61
理解というより、感じることしか出来ない難解な本。そこでこの本の内容を簡潔にまとめてみました。 〈この世に「時間」は存在しない。あるのは「時計」である。by 33_kouchi 〉 そんな内容です(たぶん)。SF、いや哲学書と思ってさらさら読んでみると面白いかも。 2024/05/01
とも
61
オーディオブック。 時間の話は難しくて分からないことか多かった。 宇宙の話はわかる事もあったので面白かった。 時間や宇宙の本を読んで、また戻って読んでみたい。2024/01/15