内容説明
国家反逆罪の被疑者であるキャサリン・クーパ博士と彼女の下を訪れていた検事局の八人が、忽然と姿を消した。博士は先天的な疾患のため研究所に作られた無菌ドームから出ることができず、研究所は、人工知能による完璧なセキュリティ下に置かれていた。消えた九人の謎を探るグアトは、博士は無菌ドーム内で出産し、閉じた世界に母子だけで暮らしていたという情報を得るのだが。
著者等紹介
森博嗣[モリヒロシ]
工学博士。1996年、『すべてがFになる』(講談社文庫)で第1回メフィスト賞を受賞しデビュー。同作は、まんが化、ドラマ化、アニメ化などされ、多くのクリエータに影響を与えた。以降、ミステリィ、SF作品を発表。エッセイや新書も多数刊行している(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
1 ~ 1件/全1件
- 評価
-
乱読太郎の積んでる本棚
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
bura
70
wwシリーズ3作目。キャサリン•クーパー博士の失踪事件に巻込まれたグアドとロジ。今回はミステリの要素がたっぷりで楽しめる。「生命ではなく存在なのだ」グアドの気付きにシリーズ全体の核心を垣間見る。(見た気がした)…「すべてはFになる」との共通点が描かれ、これは壮大なマガタ•シキ博士の掌の物語なのか。そしてリアルとバーチャルは益々混沌としていく。因みに今回のロジはとても愛らしい。次作を早く読みたくなるなあ。2020/12/05
TAMA
44
2020年17冊目。WWシリーズ第3弾。前作から続くリアルとヴァーチャルの境界が、より具体的になってきた。タイトルの意味が今後に大きく関わって行くことになる。そして、気になる二人の名前が出てきたから、そこに終息するのかを追いかけていきたい。2020/03/16
らび
35
面白かった。ここで「すべてがFになる」を踏襲するような展開に郷愁を感じます。ちょっとオーバーですが。グアトとロジもしっくり良い感じです。ミチルとロイディ、パティが何かありそう・?ああ時間があったら百年シリーズも読み返したいところ。2020/04/26
なつくさ
34
シリーズ第3弾。題名からこれは核心に一歩近づくのではと身構え、あらすじを読んであの出来事を連想する。バーチャルな世界にもういない誰かの記憶も性格もコピィした人格が存在したとして、何か嫌だと思うのは自分もまた古い人間だからだろうか。リアルとバーチャルが混同し、電子が現実で実社会が幻影に。そして最後はひとつの線に。そんな世が来るのだろうか。でもグアトとロジを見ていると案外、人の本質は何も変わらないのではと思える。突然、細かいミサイルを撃つロジ、先輩を見習うグアト。そんなふたりの関係がパンとマーガリンみたいで。2020/03/28
やなぎ
29
WWシリーズ第3弾。研究施設の中で秘かに子供を産んで脱出する。なんだか、どこかで聞いた話。あのラスボスも出てくる。見どころ満載なんだけど、集中して読まなかったせいで、やや混乱。最後にまた難しい話がまとめてあり、恐らくは森先生の脳内イメージ、未来の姿が語られるのだが、ヴァーチャルは何を目指すのか、半分も理解できない。やはり、なんちゃって理系では追い付けないか…。でも、ロジが旧式の車が好きであること、グアトとの関係が良好なこと、読んでいてニヤリとする場面もあって、楽しめた。マトリョーシカも出てくるし。70点。2023/05/10