内容説明
源義朝の長男、悪源太義平がわずか十七騎で、五百余騎を蹴散らす痛快な合戦、幼い子を守るため我が身を差し出す常葉の哀しい決断、運命の少年、頼朝の姿…。平治の乱(一一五九年)を題材に、敗れゆく源氏の悲哀と再興の予兆を描いた物語を、伝本の中でも個性豊かな登場人物と起伏に富んだストーリーで知られる四類本から現代語に訳した決定版!
目次
上巻(序;信頼・信西不快の事;信頼信西を亡ぼさるる議の事 ほか)
中巻(待賢門の軍の事付けたり信頼落つる事;義朝六波羅に寄せらるる事并びに頼政心替りの事;六波羅合戦の事 ほか)
下巻(頼朝奥波賀に下著の事;義朝内海下向の事付けたり忠致心替りの事;金王丸尾張より馳せ上る事 ほか)
著者等紹介
谷口耕一[タニグチコウイチ]
1947年生まれ。千葉大学人文学部人文学科卒業。専門は、日本中世文学
小番達[コツガイトオル]
1967年生まれ。千葉大学大学院社会文化科学研究科博士課程修了。現在、名桜大学教授。専門は、日本中世文学(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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優希
45
平治の乱を題材に、破れゆく源氏の姿が描かれていました。大河ドラマとリンクして苦しくなります。平治の乱についてあまり詳しくないのですが、実際は面白くもあり、悲しくもある乱だったのですね。2023/04/18
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1
初っ端から藤原信頼が後白河の七光りとボロクソに言われてて面食らってしまった。 そして対照的な信西の優秀さが語られていたが、権力を増長を匂わす記述があるのが気になる。続きをもっと読んでみたい2021/02/21
チュルちゃん
0
大河ドラマ「平清盛」でこの時代に興味を抱いていたので読んでみた。 面白かった。大河ドラマにあったのと同じ場面がこの本にもあって、脚本家の方はこれもきちっと読まれたんだろうなと思った。吉川英治の「新・平家物語」にあった場面も幾つかあって吉川英治さんもちゃんとこれを読んだんだろうなと感じた。 幾つか史実に近いと思われる物もあるようで驚いた。特に信西の博学の逸話。 同じ平治物語でも、一類本や四類本等の種類があるそうでこれは物語として最も面白いと思われる四類本を訳した物。室町時代に成立したと考えられているそう。2020/09/12