出版社内容情報
神仏習合の多彩な展開を徹底的に解読し、それを心身と世界の変革=「変成(へんじょう)」という運動のなかに見出した渾身作!日本中世はその精神性を措いては理解できない。熊野巡礼、修験神楽、法華経注釈、天皇の即位灌頂……神仏習合の多彩な展開を一次資料から徹底的に解読し、そこに心身と世界のドラスティックな変革=「変成(へんじょう)」という壮大な宗教運動を見出した渾身作。中世という激動の新世界、その遠大な闇と強烈な光に、日本随一の宗教思想史研究者が迫る!
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「第一幕の舞台は、熊野街道中辺路。主人公は熊野詣の道者たち。
第二幕の舞台は、奥三河の山里、夜の神楽宿。演者は還暦を過ぎた老人たち。
第三幕の舞台は、深い海の底と南方無垢世界。主人公は八歳の龍女と水に棲む異類たち。
第四幕第一場は、宮中の高御座(たかみくら)。主人公は即位したばかりの天皇。第二場は、伊勢神宮・外宮。演者は神宮の可憐な童巫女。そして主人公のペルソナとしての金色の狐。
中世の混沌世界から生まれた、「変身」を主題とする四つのドラマ。
これらを貫く運動とは何か? またそれを影で操っていた存在とは――?」
――「プロローグ」より
此岸と彼岸、現実と非現実、神と仏の境界と習合、そして変成の謎にせまる。
山本 ひろ子[ヤマモト ヒロコ]
著・文・その他
蟹江 征治[カニエ セイジ]
著・文・その他
内容説明
日本中世はその精神性を措いては理解できない。熊野詣、修験神楽、法華経注釈、天皇の即位潅頂…「神仏習合」の多彩な展開を一次資料から徹底的に解読し、そこに心身と世界のドラスティックな変革=「変成」という壮大な宗教運動を見出した渾身作。中世という激動の新世界、その遠大な闇と強烈な救済の光に、日本随一の宗教思想史研究者が迫る!
目次
プロローグ―神聖劇場への招待
1 苦行と救済 中世熊野詣の宗教世界―浄土としての熊野へ(葬送としての熊野詣;聖地と救済の構造)
2 擬死と再誕 大神楽「浄土入り」―奥三河の霜月神楽をめぐって(大神楽の宗教思想―『御神楽日記』を読む;浄土入りの装置;浄土への旅立ち;浄土での行い―「注連の本戒」を読む)
3 本覚の弁証法 龍女の成仏―『法華経』龍女成仏の中世的展開(幻の「龍畜経」を求めて―『平家物語』「潅頂巻」から;龍女の原像―「提婆品」の彼方へ;成仏のドラマトゥルギー)
4 人獣の交渉 異類と双身―中世王権をめぐる性のメタファー(双身の神智学;辰狐のイコノグラフィー)
エピローグ―錬金術的思考へ向けて
著者等紹介
山本ひろ子[ヤマモトヒロコ]
1946年生まれ。早稲田大学第一文学部史学科中退。日本宗教思想史専攻。和光大学名誉教授。私塾「成城寺小屋講座」を主宰(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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