出版社内容情報
思わず涙こぼす日もある。狂おしいほどの恋だってする。忍者もまた、ひとりの男――。笑って泣ける、傑作〈忍び〉小説5編。
明智光秀、突然の謀叛。そのとき信長方の忍び・九十郎は……(「鬼火」)。職人として腕を磨き、子も生まれた。順風満帆な万作に、ある知らせが(「赤絵獅子」)。不義密通の許しを得たければ、我らの面前でこの女と再び交合せよ――。頭領は若き手下に命じた(「忍者服部半蔵」)。誰よりも速く走り、跳び、隠れ、騙す。けれど心にいつも巣食うのは、孤独と葛藤。笑って泣ける、傑作忍者小説五編。
内容説明
明智光秀、突然の謀叛。そのとき信長方の忍び・九十郎は…(「鬼火」)。職人として腕を磨き、子も生まれた。順風満帆な万作に、ある知らせが(「赤絵獅子」)。不義密通の許しを得たければ、我らの面前でこの女と再び交合せよ―。頭領は若き手下に命じた(「忍者服部半蔵」)。誰よりも速く走り、跳び、隠れ、騙す。けれど心にいつも巣食うのは、孤独と葛藤。笑って泣ける、傑作忍者小説五編。
著者等紹介
縄田一男[ナワタカズオ]
1958(昭和33)年、東京生れ。専修大学大学院文学研究科博士課程修了。歴史・時代小説を中心に文芸評論を執筆。’91(平成3)年に『時代小説の読みどころ』で中村星湖文学賞、’95年に『捕物帳の系譜』で大衆文学研究賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
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感想・レビュー
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優希
43
忍者もののアンソロジー。作家陣が豪華ですよね。服部半蔵、猿飛佐助、石川五右衛門も出てくるし、読んでいて楽しかったです。特に織田作の『猿飛佐助』が痛快でした。他の作品も勿論面白い。渋くて格好良い忍者の世界を堪能しました。2025/07/29
OHモリ
21
・大好物の忍者ものアンソロジー、書いたのは池波正太郎, 柴田錬三郎,織田作之助, 平岩弓枝, 山田風太郎という豪華メンバー。といいつつ織田さん、平岩さんは初読みでした。それぞれに面白かった。しばらく読んでなかったけど忍者ものをまた読もうかなとちょっとだけ火がついた感じ。ブログ→https://plaza.rakuten.co.jp/drunk4374books/diary/202312090000/2023/12/09
みずたま
21
忍者ものアンソロジー。池波作品「鬼火」は本能寺の変を絡めて二人の忍びの男の因縁が描かれていたが、短編なので物足りず。もっと本能寺の変を本筋とした、忍び目線の話が読んで見たくなった。柴田作品「蜀山人」が一番良かったかな。タイトルは相田みつを「にんげんだもの」をもじって「忍者だもの」忍者だって人間だもの…といったところでしょうか(笑)時代により描かれていた忍者像が全然違う点が興味深かった。2015/06/23
ちろ
20
全5話の忍者小説アンソロジー。みつを風『忍者だもの』のタイトルと相反してシリアスだけど面白かった。池波正太郎さんの『鬼火』、映画を観てるように、映像が頭に浮かんだ。二人の忍者の生き方の対比が秀逸。山田風太郎さんの『忍者服部半蔵』、忍者より得体の知れない魔力を持った家康と結末が怖かった。2017/04/02
ひなきち
18
大御所5名の忍者アンソロジー。それぞれ特徴があり、そのすべてを楽しんだ。初読み作家の織田作之助「猿飛佐助」は、情景が目の前に浮かぶようなリズム感のある文章ですっかりお気に入りに!山田風太郎の「忍者服部半蔵」では忍者の哀しい運命を知った。これを期に忍法シリーズも読んでみたい。平岩弓枝「赤絵獅子」は切ないよりも悔しかったな。柴錬「蜀山人」はとんちがきいてて面白い!最初の池波正太郎「鬼火」には痺れた。人になった男と鬼になった男と…対比が素晴らしい。忍者だもの。この題名がすべてを語る…。2016/06/07