講談社ラノベ文庫 ラン・オーバー

稲庭 淳【著】

講談社（2015/07発売）

• サイズ 文庫判／ページ数 252p／高さ 15cm
• 商品コード 9784063814767
• NDC分類 913.6
• Cコード C0193

出版社内容情報

傍観者だった伊園に、いじめの首謀者に反撃しようと提案してきた湊。計画が順調に進んでいくごとに過激になり、クラスは崩壊する。

湊里香が転校してきてから、クラスは一変する。いじめのターゲットにされても動じない彼女はあるとき伊園を呼び出した。湊に秘密を知られた伊園は、言われるがまま同棲生活をスタートさせる。不思議な彼女は伊園にあることを提案する。それはいじめのリーダーカップルに反撃すること。はじめは気乗りしなかった伊園も、次第に湊の意見に賛同するように。いじめのターゲットの原を巻き込み、三人の過激な反乱が始まが、湊の本当の目的は誰にも想像がつかない恐ろしいものだった……。第４回講談社ラノベ文庫新人賞佳作受賞作。

内容説明

いじめが横行するクラスで日常を送る伊園は傍観者を貫いていた。だが湊里香が転校してきてから、すべては一変する。いじめのターゲットにされても動じない彼女はあるとき伊園を呼び出した。湊にある秘密を知られた伊園は、流されるまま彼女との同棲生活をスタートさせる。彼女の目的は一体何なのかと困惑する伊園に湊はあることを提案する。それはいじめのリーダーカップルに反撃すること。はじめは気乗りしなかった伊園も、次第に湊の意見に賛同するように。いじめのターゲットの原を巻き込み、三人の過激な反乱が始まる。だが、湊が求めていたのは、いじめを止めさせることなどではなかった…。第４回講談社ラノベ文庫新人賞佳作受賞作。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

[まりも]

いじめが横行するクラスに転校してきた少女をきっかけに復讐が始まる学園物語。うん、これはいろんな意味ですごい作品ですね。登場人物たちのクズ具合が素晴らしいレベル。文書、展開ともに粗さが目立ちますが、この流行を無視した怖いもの知らずな感じは新人さんらしくて好きですよ。後味も悪く、賛否両論が出そうなタイプではあるけど、ガガガじゃなくてラノベ文庫でこんな作品を出したという編集、作者の勇気に乾杯したい。この作者さんにはこれからも冒険してもらいたいですね。次回作も期待してます。

2015/07/13

[晦夢]

なるほどこれはカテゴリエラーだわw　大好きな雰囲気。いじめが横行するクラスで傍観者に徹していた伊園だったが、転校生の湊里香が現れたことで生活は一変することに。という訳で押しかけヒロインと同棲イチャラブという訳もなく、いじめをしていた奴らに反撃をしていくという内容。割りとハードな感じで。元から伊園もぶっ壊れてる、そして湊が原因で表に出た感じ。そして原は伊園たちに壊され暴走した感じか。こういうぶっ壊れたのは大好き。湊みたいな子が好きというのは凄く分かる。可愛いよね。湊と伊園が幸せそうでなにより。

2015/07/03

[ナカショー]

イジメを題材にした学園もの。面白かったけど、凄く胸糞が悪くなった。出てくるイジメる生徒はもちろん、そいつらに復讐していく主人公達の方がエグいやり方で始末していく姿に、自分のヘイト値がぐんぐん上がって行きました。ホント恐ろしい作品でした。（褒め言葉）

2015/07/15

[真白優樹]

いじめが横行するクラスの中、転校生の少女をきっかけに過激な反撃が開始される物語。・・・とりあえず言うとこれまでにあまりないタイプの物語、間違いなく歴史に残りそうな怪作である。・・・人の内面に隠された闇という狂気を煮詰め更に凝縮すればこうなろのだろうか。どこか壊れた子供達の日常シーンと生々しく過激すぎる反撃のシーンのギャップが衝撃を受ける魅力を作り出している。・・・ここまで衝撃を与えて揺さぶってくる作品は久々だな。きっかけを機に闇が噴出し反転、殺し合うシーンは衝撃と共に嫌悪さ、一つの集団サイコパスすら感じる

2015/07/02

[shin]

クラスの酷いいじめに苛立つも見てるだけの傍観者だった伊園だが、転校生の湊里香が現れ状況が一変していく話。停滞していた状況に波紋を投げかけた湊の初動は痛みも伝わるが、言葉で心がスッとした気持ちにもなった。何となく考えはすれども現実では踏み切れない容赦ない反撃が展開し、苛烈な描写と共に加害者も被害者も傍観者もすべてが壊れた時どんな事になるのか、恐いもの見たさに先が気になった。独善を上回る独善で恋も生まれるけれど幸せな結末とは違う危うさを感じた。普通とは何なのか突きつけられ考えさせられる、心に刺さるお話でした。

2016/03/19