講談社学術文庫<br> 人間不平等起源論―付「戦争法原理」

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講談社学術文庫
人間不平等起源論―付「戦争法原理」

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  • サイズ 文庫判/ページ数 240p/高さ 15cm
  • 商品コード 9784062923675
  • NDC分類 135.3
  • Cコード C0110

出版社内容情報

格差社会が深刻化する今、重要性が増すルソーの主著を、原文を感じさせる日本語で新訳! 幻の作品『戦争法原理』を本邦初訳で併録。近年ますます注目されるジャン=ジャック・ルソー(1712-78年)の代表作、待望の新訳!
本書は、ディジョン・アカデミーが募集した懸賞論文として1754年に執筆された。懸賞の課題は次のとおりである。「人間たちの間にある不平等の起源はなんであるか、また、それは自然法によって是認されるか」。この問いに感銘を受けたルソーは、森を散策しながら思索をめぐらし、論文の構想を練ったことが知られている。
ルソーが問題にする「不平等」とは、体格、体力、手先の器用さ、知的能力などに見られる「自然にかなった不平等」ではない。そうではなく、地位、身分の区別、貧富の差、支配隷属関係といった、人間自身が約束や合意によって作り出した不平等である。そうした不平等に拍車がかかって歯止めがなくなれば、人間は必ずや惨めで不幸な生を強いられる、とルソーは考えた。これは「格差社会」が深刻になっている現在の日本にとって、まったく他人事でない、きわめて切実な問いにほかならない。
神が造った世界には秩序がいきわたっており、それを損なうのは神の摂理の外にある人為である、とルソーは言う。だから、人間の不幸の原因は、世界を造った神にも、神が造った人間の本性の中にもない。そして、そうである以上、現実に目の前に存在する不幸を避けることは、真剣に望むなら、人間にとって不可能なことではない。これこそが、ルソーが私たちに伝えるメッセージである。
すでに複数の邦訳があるこの偉大な作品を、実力者として知られる訳者が手がける。専門家にしか理解できない詳細に踏み込むことは避け、しかし読みやすさを理由にして原文の意味を歪めることはしない。そんな実直な方針の下で完成した本訳書は、誰にでもルソーの原文を実感できるものに仕上がっている。
なお、『社会契約論』初稿「ジュネーヴ草稿」と同時期の1756年頃に執筆されたものの、断片しか残されていない『戦争法原理』を併録した。これは復元された形では本邦初訳となる貴重なものである。

凡 例
人間たちの間の不平等の起源と根拠に関する論文
 ジュネーヴ共和国にささげる
 序 文
 注に関するただし書き
 ディジョン・アカデミーによって提出された論題
 第一部
 第二部
 原 注
戦争法原理
訳者解説


ジャン=ジャック・ルソー[ジャン=ジャック ルソー]
著・文・その他

坂倉 裕治[サカクラ ユウジ]
翻訳

内容説明

体格や力の違いといった「自然」に基づく不平等ではなく、身分の違いや貧富の格差といった「人為」で作り出された不平等こそが、人間を惨めで不幸にする。この不平等の起源と根拠を突きとめた上で、不幸を回避する方法はあるのか?今ますます重要性を帯びるルソーの名著を清新な日本語で新訳。幻の作品である『戦争法原理』の復元版を併録した。

目次

人間たちの間の不平等の起源と根拠に関する論文
戦争法原理

著者等紹介

ルソー,ジャン=ジャック[ルソー,ジャンジャック] [Rousseau,Jean‐Jacques]
1712‐78年。ジュネーヴ生まれ。啓蒙の18世紀に思想家としてのみならず、作家や音楽家としても才能を発揮した

坂倉裕治[サカクラユウジ]
1965年生まれ。早稲田大学第一文学部卒業。慶應義塾大学大学院社会学研究科博士課程修了。現在、早稲田大学教授。専門は、教育哲学・フランス思想(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

じゅん。

7
ホッブズと対照的に、神がつくった世界は秩序が行き渡っていて、人為的な者、すなわち文明が不平等を作り出した。ものすごく緻密な論理、豊富な原注で描かれる。2024/11/28

M

7
人間が理解していそうで最も理解していない知識とは人間そのものに関する知識だと喝破する。もちろん現代では生物学的な知見からは人間の遺伝情報も解明され、人間に関する学問でも人間学から、文化人類学など多岐に渡るわけだが、それらを日常的生活の次元まで落とし込んだ時に汎用化できるものは一体どれくらいあるのか。人種差別などが本格的に問題視され始め、解消に向かう現代で、人間の原初状態における不平等の最初の起源を想像するという視点、不当な所有と個人的な資質にその源泉を見出し、その正当性を疑うという着眼は誤っていないだろう2019/03/25

シロビ

6
人間の不平等の起源を知る為に、人間が「必要」と認識しているものをまず全てを取り去って、自然にいた頃から考えてみよう!ということなのかな。納得いかないところも多々あるけど、発想は自分にはないもので新鮮。 人類にとっての「法律」がどんなものか、印象が少し変わった。「よりよい世界に」が原点のものもあるのだろうが、それよりも特定の個人が権力を持っていても不平等と気付かれないように「法律」を身代りにしているイメージ。中身は空っぽ。2017/07/07

yutaro sata

2
人間というのはどうしてこうも不平等になってしまうのか、それを、人間の社会の制度やなにやから一旦離れて、自然状態というものを仮定して、そこから始めて、いかに制度的なものが不平等を生成する必然になっているかを説いた本だと思います。ではそれを一体この後どう良くしていくのか、という話は私が読んだ限りではまだお預けになっているのかな、と。続きは『社会契約論』とか『エミール』とかになってくるのでしょうか。読んでみようと思います!2022/02/26

毒モナカジャンボ

1
すげーラディカル、そしてさびしい2024/08/31

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