出版社内容情報
平安中期の能吏が日記に残した宮廷政務・儀式・行事の実態。一条天皇崩御から三条天皇即位へ激動する宮廷の様子を伝える第一級史料藤原行成が記した日記『権記』は、昇進の末の極官「権大納言」にちなんでいるが、今に残されているのは鎌倉期に書写された伏見宮本『行成卿記』という写本である。これは現在22巻が伝わっているものの、実際に行成が書き残したのはそれをはるかに上回る量と考えられる。
一条天皇と藤原道長、また中宮定子・彰子や東三条院に近侍し、宮廷の政務・儀式・行事の運営など激務をこなしながら、行成がその顛末・次第を詳細に書き留めたのは、ひとつには儀式書をまとめる基にするためだったとも見られ、実際にさまざまな部類記を整理していた。
一方では小野道風・藤原佐理と並んで三蹟と称される能書家、また一方では役人として権力中枢の実態や宮廷深奥の動きなどを丹念に記録、その日記はいま歴史研究の第一級史料として大きな価値を持っている。
本巻は、一条天皇の崩御、三条天皇の即位式を中心として、平安最盛期の宮廷での政治的動きや儀式次第、行事の実態などが詳細に綴られており、平安の政治体制を知るための大きな手がかりとなる。
寛弘三年(一○○六)
寛弘四年(一○○七)
寛弘五年(一○○八)
寛弘六年(一○○九)
寛弘七年(一○一○)
寛弘八年(一○一一)
長和元年(一○一二)
長和二年(一○一三)
長和五年(一○一六)
寛仁元年(一○一七)
寛仁二年(一○一八)
寛仁三年(一○一九)
寛仁四年(一○二○)
治安元年(一○二一)
治安二年(一○二二)
治安三年(一○二三)
万寿元年(一○二四)
万寿三年(一○二六)
年譜
系図・地図
倉本 一宏[クラモト カズヒロ]
翻訳
内容説明
寛弘八年一条天皇の譲位と崩御、三条天皇の即位式という激動の中、儀式書をまとめる意図もこめて子細を記述する行成。官人社会における栄達を志向しつつ記される日記からは、王権をめぐる宮廷人の政治的思惑・秘事が読み取れる。藤原道長の傍に生き、同日に薨じた権大納言の膨大な記録は、平安の社会史・生活史・宗教史にもからむ重要な史料である。寛弘三年(1006)~万寿三年(1026)の記録。
著者等紹介
倉本一宏[クラモトカズヒロ]
1958年、三重県津市生まれ。東京大学文学部国史学専修課程卒業。東京大学大学院人文科学研究科国史学専門課程博士課程単位修得退学。博士(文学、東京大学)。国際日本文化研究センター教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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