内容説明
芸術・文学・科学の殿堂ムーセイオンや世界中の書物を集めた大図書館、さらに巨大な灯台がそびえ立つ地中海の中心都市。アレクサンドロス大王を継ぐプトレマイオス朝の「愛知」の志向はギリシア世界から東方から一流の知性を集め、学術の一大センターを築き上げた。古代における学問の隆盛を担い、やがて消えていった謎のヘレニズム都市の姿に迫る。
目次
序章 謎の古代都市アレクサンドリア
第1章 ムーセイオンと大図書館
第2章 メセナとしてのプトレマイオス朝
第3章 大図書館をめぐる学者文人たち
第4章 花開くペリパトス派の学風
第5章 哲学都市アレクサンドリア―ユダヤ人フィロンとその周辺
文献案内をかねたあとがき
紀元前4~前1世紀の関連年表
著者等紹介
野町啓[ノマチアキラ]
1933年生まれ。東京教育大学大学院文学研究科博士課程修了。筑波大学・茨城県立医療大学名誉教授。専攻は古代アレクサンドリアを中心とする思想史(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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月をみるもの
15
馴染み深い天文学者(〜月のクレーターの名前にもなっている)はサモスのアリスタルコスで、アレクサンドリアの図書館に所縁の深い文献学者はサモトラケのアリスタルコスなんだそうな。。そんで、プトレマイオス朝の王様はみんなプトレマイオス。古代ギリシャには、韓国やハメハメハ王国のような同姓の人が多かったってことか。やっぱ文献だけでは隔靴掻痒の感を免れないので、がっつり海中の発掘をしてほしい。。パピルスや羊皮紙は無理だろうけど、遺跡だけでも。。 2019/06/30
xin
3
アレクサンドリアのムセイオンや図書館には思ったより詳細不明な点が多いことが分かった。2016/08/28
未完AAA
2
二章以降は文献学の系譜というか専門的すぎて読んでも解った気がしないが、数ある本の中でこの本を手に取らせる「アレクサンドリア」の魅力というのは本当に素晴らしい。アレクサンドロス大王の世界帝国が私たちの考える世界帝国として花開くまでのタイムラグ、それを支えた世界観の変化だとか、ユダヤ人の斬新さとか、へぇと思うことが多かった。世界史の一文二文はこれだけの、これ以上の厚みを持っている。凄い。そして同時に無知で想像力の足りない自分が悲しくなってくる。とりあえず現代の価値観は一神教の勝利の結果か、と思った今日この頃。2013/02/02
さんとのれ
1
当時の知識人の思想や業績を辿ることで、いつ消滅したのか、どういう形で存在していたのかすら定かでない図書館を中心とするアレクサンドリアの知的世界を解明しようという、霧の中を進むような試みの本。2015/11/11
杞人
1
あれか、初版でもないのに書店に平積みしてあったのは映画「アレクサンドリア」のタイアップだったのか。2011/03/22