講談社文芸文庫
戦後文学を読む

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  • サイズ 文庫判/ページ数 431p/高さ 16cm
  • 商品コード 9784062903059
  • NDC分類 910.26
  • Cコード C0195

出版社内容情報

第二次大戦後の極限状況のなか、戦争と戦後社会への峻厳で実存的な眼差しで描かれた〈新しい文学〉は、「いまなお最も批評性が高い」(奥泉光)小説群である。野間宏、武田泰淳、梅崎春生、大岡昇平、小島信夫ら戦後派九人の代表作を、現代文学を牽引する作家・評論家たちが、群像の「創作合評」形式に読み、論じ合う。終戦から七〇年を経て浮き彫りになる、戦後文学の精神とは。

序章 対談 高橋源一郎・奥泉光
一章 野間宏 「暗い絵」「顔の中の赤い月」
    合評/奥泉光・中村文則・島本理生
二章 武田泰淳 「蝮のすえ」「わが子キリスト」
    合評/奥泉光・松永美穂・鹿島田真希
三章 椎名麟三 「深夜の酒宴」「重き流れのなかに」
    合評/奥泉光・佐伯一麦・辻村深月
四章 梅崎春生 「桜島」「幻化」
    合評/奥泉光・福永信・朝吹真理子
五章 大岡昇平 「野火」「武蔵野夫人」
    合評/奥泉光・岡田利規・青山七恵
六章 石原吉郎 「ペシミストの勇気について」「棒をのんだ話」
    合評/奥泉光・山城むつみ・川上未映子
七章 藤枝静男 「田紳有楽」「悲しいだけ」
    合評/奥泉光・堀江敏幸・桜庭一樹
八章 小島信夫 「アメリカン・スクール」「月光」
    合評/奥泉光・保坂和志・青木淳悟
九章 大江健三郎 「芽むしり仔撃ち」
    合評/奥泉光・野崎歓・町田康
終章 対談 島田雅彦・奥泉光

奥泉 光[オクイズミ ヒカル]
編集

群像編集部[グンゾウヘンシュウブ]
編集

内容説明

第二次大戦後の極限状況のなか、戦争と戦後社会への峻厳で実存的な眼差しで描かれた“新しい文学”は、「いまなお最も批評性が高い」(奥泉光)小説群である。野間宏、武田泰淳、梅崎春生、大岡昇平、小島信夫ほか戦後派の代表作を、現代文学を牽引する作家・評論家たちが、「群像」の「創作合評」形式で読み、論じ合う。終戦から七十年を経て浮き彫りになる、戦後文学の精神とは。

目次

序章 なぜ今「戦後文学」か
1章 野間宏を読む
2章 武田泰淳を読む
3章 椎名麟三を読む
4章 梅崎春生を読む
5章 大岡昇平を読む
6章 石原吉郎を読む
7章 藤枝静男を読む
8章 小島信夫を読む
9章 大江健三郎を読む
終章 「戦後文学」と現在

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。

佐島楓

68
この中で紹介されている作家では、武田泰淳、大岡昇平、小島信夫、大江健三郎くらいしか読んでいなかった。現代作家による合評という形をとっているので、この作家はこういうところに注目するんだなという発見があって、文学ファンにはたまらない。また、戦後文学者の体験の厚みを感じ取れるので、作品にはできるだけ直に当たってみたいと思う。購入して読めてよかった一冊。2019/01/06

みっちゃんondrums

22
恥ずかしながら紹介されている作品を一つも読んでいないのだけれど、ほかならぬ奥泉せんせーと、論じ合うそうそうたる作家たちの名に惹かれて読んだ。戦後文学というジャンルは、一部の文学好き以外の一般読者からは忘れられようとしているのかもしれない。全作品が難解そうなのだが、合評が面白くて、やはり読みたくはなる。とともに、論じている作家たちの感性とか論理性とか文体なども感じられて、読み応えがあった。たとえば椎名麟三を論ずる辻村深月さんが、女にはギャルとギャルじゃないのがいて、誰もギャルには勝てない、など。→以下メモ2017/02/07

loanmeadime

15
戦後文学というのを当初、戦後の文学と捉えていましたが、序章にあるように漱石や太宰から村上春樹に至るまでに私の様な読者にとって関心の「空白」になっている時代の、終章にあるように、連続しているかに見える戦前と今日の文学の間のトゲのような存在の一群の文学作品を奥泉光氏と二人の評者で対談形式で合評して行く、という興味深い読み物でした。9人の17作。取り上げられた作品の未読のもの(ほとんどですが)、対談者の作品を読みながら数か月かけて読み進めて来ました。楽しかったです。2025/08/12

うし

6
『芽むしり仔撃ち』のすばらしさ。 町田「奥泉さんに聞きたいのですが、小説家というものは、全然みたことがないものを書くことができるのですか?」 奥泉「書けるんじゃないですか。というか、どういう意味ですか」2025/07/16

アヴォカド

6
いい企画だと思う。戦後文学にあまり触れないまま作家になっておられる若手作家は少なくないんじゃなかろうか。ここに登場している若手作家の方々の読みは、それぞれ面白い。どんな作品も「未来の読者による再評価や忘却の試練」から逃れることは出来ないのだから、この企画、定期的に続けていったら面白いんじゃないかと思う。そしてまた今の若手作家たちも例外なく、この後「未来の読者による再評価や忘却の試練」にさらされていくわけです。。。2016/06/16

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