講談社文芸文庫
兄 小林秀雄との対話―人生について

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  • サイズ 文庫判/ページ数 242p/高さ 16cm
  • 商品コード 9784062901376
  • NDC分類 910.268
  • Cコード C0195

出版社内容情報

人間小林秀雄を妹が伝えた言葉

敬愛する兄 小林秀雄の考え方を、妹 潤子がわかりやすく伝える

小林秀雄の妹であり、田河水泡の妻である作者が、敬愛してやまない兄の生き方や心、そして難しい作品の意味を、兄との対話によって、わかりやすく伝える。小林秀雄の誠実なものの考え方や精神を、身近にいるからこそ書き表した魂の言葉。美について、批評精神について、読書について……、人間小林秀雄と妹の美しい愛情に溢れた書。

高見沢潤子
わたしは、兄の作品を全部読みかえしました。そして兄を訪ねては、いろいろと質問し、話しあいました。兄の顔をじっとみつめ、その一言一言をかみしめるようにききました。ときには、茶の間でむかいあって晩しゃくのお相伴をしながら、あるいは応接間で音楽をききながら、また鎌倉の美しい山々をながめながら。――<「初刊本まえがき」より>

※本書の底本は、講談社刊『兄 小林秀雄との対話――人生について』(1968年6月刊)としました。

高見沢 潤子[タカミザワ ジュンコ]
著・文・その他

内容説明

小林秀雄の妹であり、田河水泡の妻である作者が、敬愛してやまない兄の生き方や心、そして難しい作品の意味を、兄との対話によって、わかりやすく伝える。小林秀雄の誠実なものの考え方や精神を、身近にいるからこそ書き表した魂の言葉。美について、批評精神について、読書について…、人間小林秀雄と妹の美しい愛情に溢れた書。

目次

第1部(ある春の日に―大和ごころとは;個性というもの;ある秋の日に―女性と愛情)
第2部(美について;批評精神について;読書について;ことばについて;歴史について;古典について)
第3部(人生とはなにか―生きる意味;若さ;時間とのつきあい)
第4部(人間としての兄;兄の少年時代;兄の青年時代;大いなる魂)

著者等紹介

高見沢潤子[タカミザワジュンコ]
1904・6・3~2004・5・12。随筆家、評論家。東京生まれ。文芸評論家の小林秀雄の妹。東京女子大卒。1928年、漫画家の田河水泡(高見沢仲太郎)と結婚。漫画家の長谷川町子と教会に通い、受洗。女性評論活動家、クリスチャンとしての作品も多数(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

双海(ふたみ)

22
小林と妹の美しい愛情にあふれた書。色々なことを語っていますが、歴史の親しみ方にはいつもハッとさせられます。もし、小林の本を読まなかったら、私は近代歴史学を奉じてそのまま大学院に進学していたかもしれません。     「そうすれば、歴史は暗記ものじゃなくなるわね。」「なくなる。ところがいまの歴史家は、歴史の客観性だとか、必然性だとか、法則性だとか、やかましくいうばかりで、その心構えは物質に対する科学のようにつめたい。歴史をもっとあたたかい目でみなけりゃだめだ。過去を惜しむ気もちで。」2016/11/19

双海(ふたみ)

17
再読。「おれは今、仕事と家庭とでせいいっぱいだ」という小林。青年時代、放埓な生活をしていたが、結婚すると家庭的なよい夫、父親になった。文士にありがちな女性関係の乱れもなかった。同棲中の死ぬ思いの苦労が、人間を大きくしたのだろう、と偉そうな感想を書いてしまう・・・(笑)2018/01/25

Iwata Kentaro

8
頂いた本。とてもおもしろかった。家族が書いた本はピンキリだがこれはピン。結局、小林秀雄の最良のところは口調リズム、それと生き様や態度なのだと思う。2023/01/08

megumiahuru

8
青春時代に一番読んで、一番助けられたのが小林秀雄氏の本でした。難解で分かりにくいと言われていたけれども、繰り返し読んでいると魂の深いところに、すとんと落ちていく感覚がありました。 この本では、実の妹である高見沢潤子さんと、生きることについて、芸術や個性についてリラックスした対話がなされています。極度に煎じ詰めた小林氏の評論とは違った形で、でも、本質的には変わらない氏の物の見方が感じられます。最近はあまり読まれなくなった小林秀雄ですが、私にとっては自分の考え方の背骨のようなものを造ってくれた大切な作家です。2013/07/29

4
小林秀雄入門の本として読んだ。日経新聞で見かけたのだと思う。 私は彼の著作は未読だから、どれほどこの作品が彼の思想を扱えているのかはわからない。しかし、著者が言うように、一番大事である小林秀雄の精神は伝えられているのではないかと思う。対話の中で彼が、批評は非難ではない。ありのままの相手を受け入れ圧倒されることから始まる。その忍耐に必要なものは愛。というようなことを言っている通り、本書では一貫した高見沢潤子の兄への尊敬や愛が感じられる。情緒や相手の立場から考えることの重要さが迫ってくる作品。2016/10/11

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