講談社文芸文庫<br> 対談 文学の戦後

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講談社文芸文庫
対談 文学の戦後

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  • サイズ 文庫判/ページ数 195p/高さ 15cm
  • 商品コード 9784062900638
  • NDC分類 910.26
  • Cコード C0195

出版社内容情報

“戦後文学”との別離を告げた記念碑的対談集。
詩誌「荒地」に拠って戦後現代詩を主導してきた鮎川信夫。詩人として、また文学と思想の新たな理論を展開し、現代をリードしてきた吉本隆明。戦中派の巨人ふたりが、敗戦の衝撃から、身を以て戦後文学史を生きてきた 34年を振り返り、社会と文学の動向を鋭く問う。――第一次戦後派の限界、江藤淳批判、ソルジェニツィン『収容所群島』の現代史的問題、現代文学の変質など、白熱の議論を交わした対談集。【解説】高橋源一郎

内容説明

詩誌「荒地」に拠って戦後現代詩を主導してきた鮎川信夫。詩人として、また文学と思想の新たな理論を展開し、現代をリードしてきた吉本隆明。戦中派の巨人ふたりが、敗戦の衝撃から、身を以て戦後文学史を生きてきた三十四年を振り返り、社会と文学の動向を鋭く問う。―第一次戦後派の限界、江藤淳批判、ソルジェニツィン『収容所群島』の現代史的問題、現代文学の変質など、白熱の議論を交わした対談集。

目次

第一次戦後派と反体制運動
時代の暗さと感性
埴谷雄高の軌道修正
大岡昇平「俘虜記」と降伏の観念
江藤淳「もう一つの戦後史」について
戦前・戦後の自由の問題
「荒地」の詩人たちの変遷
「敗戦」と国家と個人
野間宏「真空地帯」と靖国神社
戦争犯罪と東京裁判〔ほか〕

著者等紹介

鮎川信夫[アユカワノブオ]
1920・8・23~1986・10・17。詩人。東京生まれ。早稲田大学英文科中退。1939年森川義信らと詩誌「荒地」を創刊。42年東部第7連隊入隊。翌年スマトラに出征。傷病兵として帰還し療養中に「戦中手記」を執筆。47年戦後詩の出立を告げる「死んだ男」を発表。同年田村隆一らと共に第2次「荒地」創刊。「詩人の条件」「なぜ詩を書くか」などの詩論で、戦後現代詩をリードする地位を決定的なものとした

吉本隆明[ヨシモトタカアキ]
1924・11・25~。詩人、批評家。東京生まれ。東京工業大学卒業。戦争体験の意味を自らに問いつめ、50年代、文学者の戦争責任論・転向論で論壇に登場。60年安保闘争を経て、61年「試行」を創刊。80年代からは、消費社会・高度資本主義の分析に向かう(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

無識者

10
私のコンプレックスとして「時代についていけないが、それと同時に過去に遡って知識を蓄えることもできない」というのがある。だけれどもそれでいいのだということがこの対談の中で感じた。自分にはその時代のひとっちの固執するところがよくわからない。敗戦・終戦をどうとらえるかとか、(現在ではもう権威が失態している中で)日共がどうであるとか…。その時代に生きていない人にとっては難しい気がする。2016/11/19

わんにゃん

3
「そもそも降伏という観念もないのに、無条件降伏という観念があるはずがない。だから、本当はポツダム宣言受諾による条件降伏だ、って江藤さんがいったって、日本人自身に条件降伏なんて観念はありゃしない。だから、そういうことさえ知らないで敗戦を解放と幻想したのはとんでもない間抜けで、そいつらの文学は全部徒花だったといったとしても、日本人にはそういう観念がないのがあたりまえだった。」引用は前半だけど後半が興味深かったな。知らない感覚で。2022/02/21

v&b

0
作名のみあとでメモ。おそらく読みやすいと思う。日本のではないが、『収容所群島』がピックアップされている。対比として『死の棘』、案外酷評されていて苦笑も、巻末に鮎川信夫が挙げている。2017/11/27

mizu

0
江藤淳批判の部分などは特に興味深く読みました。戦後文学を通し、日本にとっての戦後とはなんだったのか、また戦後とは今とどう続くものなのかを考える良いきっかけを与えてくれるように思います。解説で高橋源一郎さんが述べているように若者(私も若者ですが)にこそ必要な一冊であるように感じました。2015/04/01

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