内容説明
前田利家の四女に生まれ、大閤秀吉の養女となった豪姫は、幼馴染の若き武将・宇喜多秀家に嫁ぎ、その前半生は、幸せに満ちていた。しかし、関ケ原の戦いに敗れ、秀家は、孤島八丈島に流され、お豪はひとり加賀の地に移り住んだ。「もうこれ以上の底はない」二人の永い埋れ木の日々が始まる…。戦乱の世の男女の悲運と愛の絆を哀切に描き、その孤独の時間の中に、人間の幸福、人生の意義を追求した長篇歴史小説。
著者等紹介
中里恒子[ナカザトツネコ]
1909・12・23~1987・4・5。小説家。神奈川県生まれ。川崎高等女学校卒業。永井龍男を知り、文学を志し、「山繭」や女性だけの同人誌「火の鳥」に参加。1931年頃より横光利一に師事。39年、国際結婚を題材とした「乗合馬車」「日光室」で、女性初の芥川賞を受賞。戦後は、混血二世を扱った『まりあんぬ物語』で出発。『此の世』『歌枕』『わが庵』など、透徹した人間観照と、風土や古典美に対する繊細巧緻な表現で独自の世界を確立する(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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和泉花
1
ものすごくたくましい。2017/09/19
ユキリータ
0
読みやすいし面白いし、この作家の本が古書か図書館でしかお目にかかれないというのは何ともったいないことか!2017/03/12
isbm
0
★★★☆2016/09/15
石川さん
0
前半がさらっとしすぎていて、なぜ秀家は死を選ばなかったのか、なぜ豪姫はそこまで秀家を愛したのか、の説得力に欠けていたような…。八丈島での秀家の暮らしぶりの部分はおもしろかったけれど。あと、この本1700円したんですよねー。文庫なのに…。2010/08/27