出版社内容情報
辻村 深月[ツジムラ ミヅキ]
著・文・その他
内容説明
辻村深月の長編ミステリーから物語が飛び出した。「スロウハイツ」の住人を受け止め、支えたあの作家。物語に生きる彼らと同じ視線で、チヨダ・コーキのデビュー作を味わおう。『スロウハイツの神様』の世界へようこそ。
著者等紹介
辻村深月[ツジムラミズキ]
1980年2月29日生まれ。千葉大学教育学部卒。『冷たい校舎の時は止まる』で第31回メフィスト賞を受賞し、デビュー。『ツナグ』(新潮文庫)で第32回吉川英治文学新人賞、『鍵のない夢を見る』(文藝春秋)で第147回直木賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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さてさて
376
小説内小説が現実世界に飛び出してきたこの作品。なんだかハードボイルドな出だしに、『神様』ってこんな作風なんだ、これが高校生が書いた作品なんだ、とちょっと興奮気味な読み始め。確かにいつもの辻村さんとは違う、あくまでチヨダ・コーキが書いたとされるこの作品。『十代の頃の神様が理解できなくなったというのなら、それは、まごうことなき老化だ』と解説を書くのはあの赤羽環。スロウハイツを愛した読者への辻村さんからの最高の贈り物。チヨダ・コーキの作品としての装丁、細かい作り込み含めてとても良く考えられた作品だと思いました。2021/08/27
三代目 びあだいまおう
309
何とも贅沢な!私の昨年ベスト5に確実に入る『スロウハイツの神様』のスピンオフで、あのチヨダコーキのデビュー作!そして解説が赤羽環!(だから本作読む前にスロウハイツは必須です) 中高生に伝説的に支持されてるコーキらしく若者にも読みやすい文体。辻村さんの文に慣れてる方には少し違和感あるかも。ストーリーは近未来、凶悪犯罪者を自由に殺してよい権限マーダーライセンスを持つ者の話。主人公ティーの視点で割とうだうだ展開するがラストの章で大どんでん!さすがにえぇっ?❗環の解説もいい!本の作りも凝ってる!何とも贅沢‼️🙇2019/01/29
にいにい
287
「スロウハイツの神様」のチヨダ・コーキ17歳のデビュー作。これ読めるなんて、辻村深月さん最高!! 解説:赤羽環、いい~。「スロウハイツ」の世界が深まる、切なさや優しさがつまった一冊。デビュー作設定だから、粗削りだけど、殺人のライセンスを持つマーダーと友人達のやるせない愛と友情物語。絶望と光が交差する。環や桃花がこれを励みに生きたと感慨深い。「一人ぼっちにならないで。アタシはあなたを愛してる。」当然ながら「スロウハイツ」を読み、コウちゃんの人となり、想い、関連するものたちを知ってから読む作品。2015/09/16
小梅
272
これがチヨダコーキ作品だったのか!環に解説を書かせるあたりが良いわ〜2016/03/18
ナルピーチ
222
まず先に、本書を未読の方は『スロウハイツの神様』から読んで欲しい!そのスロウハイツの住人として登場した作家・チヨダコーキのデビュー作は、一人の女性を純粋までに愛した男の物語。3年前に別れた“アール”から掛かってきた電話が“ティー”の心を動かしていく。最後の結末には賛否両論あると思うが、そこも含めて楽しめた。そしてなんと言っても、巻末の解説で登場する“赤羽環”に胸が爆ぜた!環らしいコメントが絶妙に二人の距離感を生む。やっぱりこの二人の関係性が心地よい。辻村先生の粋な計らいを存分に堪能することができました!2022/05/03