内容説明
民俗学、文化人類学、歴史学と幅広い視点から、古代の王権と神話との関わりを具体的・実証的に考察する。神話学の泰斗の単行本未収録の論考から成る遺稿集。
目次
1 聖徳太子厩戸誕生譚の一考察
2 日本王権神話に表われた禅譲思想
3 三輪山伝承をめぐる王権思想の変遷
4 薬草と巫祝の国出雲から宗教王国出雲へ
5 禊祓の神話と儀礼の原義
6 原始神道の源流に関する一考察―日本と朝鮮の古俗の比較による
7 人の生命の守り神としての大三輪の大神
8 神武伝承と磐余
著者等紹介
松前健[マツマエケン]
1922年生まれ、2002年没。国学院大学大学院修了。文学博士。天理大学・立命館大学・奈良大学の教授を歴任する一方、日本の神話研究をリードし、国際的な評価を得る。1998年に『松前健著作集』全13巻刊行(おうふう)により、その研究を集大成した
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感想・レビュー
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うえ
6
上野誠「戦前は久米歌などの記紀歌謡を通じて戦意高揚がはかられた。いわば、神話礼賛の時代である。しかし、戦後はその反動で記紀の神話は偏狭な排他思想によって作られたもの、と考えられるようになった。ために、神話学者は白眼視された。その両方が一面的な見方であり記紀の神話にも、平和の思想、救済の思想はあるとして、大国主命が…袋を背負って歩くのは英雄代受苦を象徴的に表すものであるということを述べた。これは、キリストの磔刑像と同じく、救済者のイメージであり…救済者の原像を袋を担った大国主命の姿に求めるべきことを説いた」2019/04/16
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